【角田裕毅F1第1戦分析】Q1突破のため新品ソフトを3セット投入する判断が功を奏す。バランス改善にも成功
担当エンジニアたちとF1第1戦バーレーンGP金曜日の走行データを分析した角田裕毅(アルファタウリ)は、土曜日に向けてセッティング変更を行った。
「少しバランスを変えました。もう少しリヤのグリップを上げてトラクションがかかる方向にセッティングを変えました。それでも、チームメイトを見ればわかるように、クルマが劇的によくなったわけではありません」
それは午後2時半から開始されたフリー走行3回目の結果に表れていた。金曜日に18番手だったときよりもバランスは改善されたが、それでも予選前の最後のセッションで角田は16番手にとどまった。
ここで角田とチームは予選に向けたミーティングを行い、ある戦略を立てる。それは残り4セットしかない新品のソフトタイヤのうち、Q2までに自由に使用できる3セットをすべてQ1に投入するというものだ。
「チームと相談して、最初からQ1でソフトを3セット使うつもりで、セッションの開始と同時にコースインしました」という角田は、最初にアタックを開始し、チームメイトよりも速い1分32秒132を記録した。
赤旗中団の後の2回目アタックでは、1回目のタイムからコンマ4秒縮めて1分31秒747をマークして、トップ10内に入った。そして、3セット目のソフトタイヤでは、さらに自己ベストをコンマ3秒刻んで、1分31秒400をマーク。8番手でQ1を突破した。
Q2までに使用できる新品のソフトタイヤを使い果たした角田は、Q2では2回とも中古のソフトタイヤを使用したため、Q1で記録した自己ベストの1分31秒400を上回ることかできずにQ2は1分31秒510で14番手に終わった。
もし、Q1で新品ソフトを使い切らずに、Q2の最後に新品のソフトでアタックできていたら、Q3に進出できていたのだろうか?
「Q2の10番手のタイムが1分31秒127で、僕がQ1で出したベストが1分31秒400だったので、ギリギリだったと思いますが、行けたと思います。ただ、Q1で新品のソフトタイヤを2セットしか使わずにQ1落ちするほうが嫌なので、チームがとった判断はよかったと思います」
角田が言うように、Q1を16番手で終えたローガン・サージェント(ウイリアムズ)のタイムは1分31秒652だったから、もし角田が3セット目のタイヤを使用していなければ、2セット目に1分31秒747だった角田は、Q1落ちしていたことになる。
チームメイトのニック・デ・フリースが同じ戦略を採りながらQ1で脱落したことを考えると、角田のQ2進出はチームが採った戦略だけがよかったのでなく、その戦略を100%活かした角田の走りもまた賞賛に値すると言っていいだろう。
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