FIA、F1のピットアウト時のレギュレーションを明確化。昨年のモナコGPではフェルスタッペンが渦中に

 

 FIAは2023年シーズン開幕戦で、ピット出口のラインに関するレギュレーションを明確化した。
 キッカケは昨年のモナコGP。レッドブルはセルジオ・ペレスが優勝を飾り、そのチームメイトであるマックス・フェルスタッペンは3位でチェッカーを受けた。しかしふたりは、ピット出口でのラインカット疑惑についてライバルのフェラーリから抗議を受けることとなった。
 乾きかけのサーキットで早めのピットストップを敢行した際、ふたりは越えてはいけないとされているピットレーン出口のイエローのライン(通常のコースではホワイトラインのことが多い)を踏んでいるようにも見受けられた。フェラーリはこれについて訴えを行ない、FIAのレーススチュワードはレース後にこの問題を調査。ただ最終的に両ドライバーに違反は無かったと判断した。
 ペレスはラインに触れていないことが確認されたが、フェルスタッペンは片側がラインを踏んでいたにもかかわらずお咎めなしという判断を受けた。
 これまでピットレーン出口でのラインカットはペナルティ対象となっていたものの、2022年のFIA国際モータースポーツ競技規則では、ピットアウト時にドライバーがラインを「越えてはならない」と規定する文言が変更。そのためフェルスタッペンはペナルティを免れたのだ。
 スチュワードは当時、次のように語っている。
「この場合、マシンはラインを”越えて”いない。”越える”と判断されるためには、イエローラインの左側にホイールが完全に出ている必要があった」
 FIAの”ラインを越える”という解釈によって、ドライバーはポジション争いのためにピット出口のラインを踏むことができるようになる。これは安全面において潜在的に重大な意味を持つだろう。
 この状況を改善するためにFIAはオフシーズンの間に議論を重ね、この問題に関連する国際モータースポーツ競技規則の文言を整理した。
 文言の修正は世界モータースポーツ評議会で承認を受け、バーレーンGPを前にチームとドライバーに伝えられた。
 国際モータースポーツ競技規則の該当する付録には新たな文言が追加され、ラインカットはタイヤ外周を基準に判断されるようになることが明らかとなった。
 FIAは次のように語っている。
「疑義を避けるべく、越えるということはタイヤ外周がピットレーンを定義するためにコース上に描かれた当該ラインの外側を越えてはいけないということを意味する」
 またピットレーン入り口のラインについても、この文言が追加され、ドライバーはこのラインを越えてはいけないとされている。
 F1レースディレクターのニールス・ウィティヒは、バーレーンGPのイベントノートに、この新しいリミットの位置を示す図面を掲載した。以下にあるのがその図面だ。

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