【あなたは何しに?】ピットウォール横で息子の走りを見守る父親。その走りはいかに

 

 バーレーンでのF1プレシーズンテスト中に、上半身が筋肉質で少しロボットのような歩き方でピットレーンを私服で横断していく人物がいた。

 その場所がアルファロメオのピットウォール脇で、その歩き方の特徴からバルテリ・ボッタスだと思ったが、そのときアルファロメオのテストカーを走らせていたのはボッタスで、ガレージにはアルファロメオのマシンはなかった。

 では、いったいアルファロメオのピットウォール脇で、マシンの走りをチェックしている人物は誰なのだろうか? ピットウォールからガレージに戻ってきたところで、話を聞いてみることにした。

【あなたは何しに?】
アルファロメオのピットウォール脇で走行を見守っていたのは……?
【あなたは何しに?】
アルファロメオのピットウォールの横で走行を見守っていた人物に話を聞いた

筆者:あの、あなたのお名前はなんというのでしょうか?
男性:ラウノ・ボッタスだよ

 風貌だけでなく、その独特なフィンランドなまりもまた、バルテリ・ボッタスそっくりだった。だったら、顔だってそっくりなはずだろうと、サングラスを外してもらうようお願いした。

 やっぱりボッタスだった(笑)

【あなたは何しに?】
ピットウォール脇にいたのは、バルテリ・ボッタスの父ラウノさんだった

筆者:ところで、あなたは何しにプレシーズンテストに来たのですか?
ラウノ・ボッタス:息子の走りを見に来たんだよ

 ボッタスがレースを始めたのは、父親と自宅のあるナストラという街から20キロメートル離れたラハティという隣町に向かって車を走らせていたとき、通りかかったゴーカートコースでレースが行われていて、それをふたりで観戦したのがきっかけだった。バルテリはもちろん、父親のラウノもまたレースに魅了され、しばらくレースを観戦していたという。

 その後、バルテリがレーサーを目指したのに対し、すでに仕事に就いていたラウノはもっぱら息子のレースを観戦するのが趣味となった。

筆者:テストの後、開幕戦も観戦するのですか?
ラウノ・ボッタス:いや、テストが終わったら、フィンランドに帰るよ。だって、仕事があるから。私はこう見えても自分で会社を営む社長なんだ。従業員を食わせなきゃいけないからね

 ラウノが経営する会社は、主に会社などの施設を掃除する清掃会社で、1991年に創業し、アントレプレナー(起業家)・オブ・ザ・イヤーを受賞したこともある。ところで、何歳なのだろうか?

ラウノ・ボッタス:いま60歳で、今年61歳になる。社長だから、定年はないんだ!!

 テスト最終日に3番手のタイムを叩き出したボッタス。フィンランドの自宅で開幕戦を観戦する父親に、いいレースを披露してもらいたい。

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