【角田裕毅F1第2戦分析】グリップ不足にも悩まされたなか、マシンの能力を100%引き出すもQ2にわずかに届かず
F1第2戦サウジアラビアGP予選前の最後のセッションとなるフリー走行3回目で19番手に終わった角田裕毅(アルファタウリ)。20番手のニック・デ・フリース(アルファタウリ)がパワーユニット交換によって、走行しなかったことを考えれば、走行したドライバーのなかで最下位だった。
その理由を角田は、次のように説明した。
「グリップがなく、コーナーでバランスに苦しんでいたからです」
ただし、これはライバル勢が予選を見据えてソフトタイヤでのアタックを繰り返していたのに対して、角田は走行した19人のなかでただひとりミディアムタイヤだけで周回を重ねていたことも関係していた。
現地時間午後8時から始まった予選。角田はこの日、初めて履いたソフトタイヤの感触を試すため、1セット目のタイヤでは1発だけのタイムアタックではなく、2回アタック分の燃料を搭載して、コースインした。
サウジアラビアGPが行われるジェッダ・コーニッシュ・サーキットは、横Gがかかるコーナーが少なく、路面のミューも低いためタイヤが温まりにくい。その反面、タイヤの性能劣化が小さいため、1セットのタイヤで複数回タイムアタックすることが可能だ。
1セット目のソフトタイヤでの最初のアタックで1分30秒902を刻んだ角田は、同じタイヤでの2回目のアタックでコンマ5秒タイムを縮めて、1分30秒453をマークしてピットインした。
その後、ライバル勢が続々とコースインしてタイムアタックを開始。時間の経過とともに路面コンディションがよくなっていたため、ライバルのマシンがコントロールラインを通過するたびに角田のポジションは徐々に降下。全車1回目のアタックを終えた段階で角田の名前はQ2進出圏外まで落ちてしまう。
こうして迎えた2セット目のソフトタイヤでのタイムアタックでも、角田は2回分の燃料を搭載してコースイン。1回目のアタックは途中でやめて、2回目のアタックにすべてを賭けた。
最後のアタックでもミスを犯さなかった角田は、全セクターで自己ベストでまとめ上げて1分29秒939を叩き出す。これで一時Q2進出圏内に入ったものの、1セット目のタイヤでのアタックで角田の後塵を拝していたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が11番手となるタイムをマークしたため、角田は16番手へ後退。15番手のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)との差は、わずかに0.010秒だった。
Q2に進出することはできなかったが、角田はいまアルファタウリのマシンが持っているポテンシャルを100%発揮させることはできていた。
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです