ハースの抗議は「棄却」とスチュワードが結論。グリッドの決め方は適切だったと判断/F1第3戦
4月2日(日)、F1オーストラリアGPのスチュワードは、2023年F1第3戦オーストラリアGP後にマネーグラム・ハースF1チームが行った抗議について「棄却」という結論を出したことを発表した。
発表によると、ハースはオーストラリアGPの決勝レースの『暫定リザルト』について抗議したという。暫定リザルトの決定までの流れはこうだ。レース終盤、ケビン・マグヌッセン(ハース)がターン2でウォールに接触し、このレースで2度目となる赤旗が出された。レースは57周目にスタンディングスタートで再開したが(ハースのニコ・ヒュルケンベルグは9番手からスタート)、アクシデントが多発したため、すぐに3度目の赤旗中断となった。
この時ヒュルケンベルグは4番手まで順位を上げていたが、最後のリスタートを迎えるにあたり、レースコントロールは隊列のオーダーを赤旗前の並び、つまり2度目のリスタート時の順位に戻すという決定を下した。これによりヒュルケンベルグは4番手ではなく、8番手から3度目のリスタートを行うことになった(本来は9番手だったが、57周目の再開直後にピエール・ガスリーがリタイアしたため、ポジションがひとつ繰り上がった)。
レース後にはカルロス・サインツ(フェラーリ)がペナルティを受けて12位に降格。8位でフィニッシュしたヒュルケンベルグの順位はひとつ繰り上がり、暫定7位となった。
これに対してハースは、『競技規則57.3条の違反』を理由に抗議。競技規則57.3条には「いかなる場合にも、順序は、すべての車両の位置を決定することが可能な最終時点のものを採用する。」とあるが、ハースは全車両の位置はセーフティカーライン2で決めることができたと主張した。
もし実際にSCライン2を基準にグリッドを決めていたら、ヒュルケンベルグのグリッドは8番手ではなかった。ハース側はマシンの位置を示すGPSデータの信頼性が低いことを認めているものの、グリッドは3度目の赤旗前の順位ではなくタイミングデータを使って決めるべきだったと述べている。
しかしながらレースコントロールは、すべての車両の位置を確定できるのは最後のグリッドが形成された時点であると判断した。スチュワードはレースディレクターを召喚し、そこでレースディレクターも「レース継続のために使用できる時間のなかで、最も信頼できる地点は最後のグリッドだった」と述べた。
スチュワードはすべての主張を考慮したうえで、タイムレースにおいてレースコントロールとレースディレクターは適切な裁量を行使して、その時点で入手可能で最も適切な情報を用いて、迅速に判断を行う必要があったと判断。今回はレースディレクターによってそれが適切に行われたとして、ハースの抗議を却下したということだ。
これによりレースの正式結果が決まり、ヒュルケンベルグは7位が確定した。
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