レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1アゼルバイジャンGPのスプリントレースでメルセデスのジョージ・ラッセルに不必要な接触をされたと感じており、レース後に怒りをあらわにしていた。これについてメルセデスのトト・ウルフ代表が自らの見解を述べた。
　ふたりはスプリントレースの1周目で3番手争いを展開。しかしターン2で2台が接触したため、フェルスタッペンのマシンはサイドポンツーンに穴が開いてしまった。レース後のパルクフェルメではお互いに言葉を交わしたものの、納得のいかない様子のフェルスタッペンは去り際にラッセルを罵った。
　フェルスタッペンは過去にラッセルのチームメイトであるルイス・ハミルトンとも衝突を繰り返してきた。このことから、フェルスタッペンは特にメルセデスに敵対意識を持ってレースをしているのではという意見も出ていた。
　一方、ウルフは今回の出来事に何か困ったことがあったとは考えておらず、ただふたりの若いドライバーが対峙しただけだと語った。
　フェルスタッペンはメルセデスを意識したレースをしているのではないかと尋ねられたウルフは次のように答えた。
「いや、マックスはルイスを意識していると思う。同世代のドライバー同士の争いは、激しさもありつつも、お互いのことをよく知っているからね」
「彼らはこういう状況をおそらく10歳くらいの時から経験している。それがレースなんだ」
　ウルフは、フェルスタッペンの激怒は単なるエンターテインメントのひとコマに過ぎないと感じており、ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンがこの出来事に動揺を隠せない理由も十分に理解している。
「ドライバー同士の友好的なやり取りは良いエンタメ要素……だなんて見当違いだな！」とウルフは言う。
「レースになると（フェルスタッペンは）アウトサイド（のライン）を狙ってくる。これは簡単なポジションではない」
「そして彼らは接触して、彼のマシンには穴が開いた。それはレースにとって良いこととは言えないし、彼が頭に来るのも無理はない。彼らがお互いにこういう状況になるのは初めてではないと思う」
　ウルフはまた、フェルスタッペンのようにアウトサイドで踏ん張ってポジションを守ろうとするドライバーは危険であり、チャンスを逸していると語る。
「私がジョージなら、同じことをするだろう。そして私がマックスなら腹を立てるだろうね。ただ、彼（ラッセル）はうまく守りきった」
「アウト側からオーバーテイクを狙うのは危険だと思う。なぜなら、そうした場合はランオフに追いやられるか、壁にぶつかってしまうかのどちらかになるからだ。場合によっては、インサイドのドライバーがひ弱でスペースを与えることもあるかもしれないがね」
「しかしそうなると、インサイド側のドライバーは相当急角度で曲がらないといけない。あそこでタイトに曲がろうとすると、次のストレートでは相当損をすることになる」
 
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