市街地戦マイスター、ペレス完勝。フェルスタッペンを真向勝負で下す……角田裕毅は2戦連続入賞|F1アゼルバイジャンGP決勝

 

 超高速のバクー市街地サーキットを舞台に行なわれたF1第4戦アゼルバイジャンGPの決勝レースを制したのは、レッドブルのセルジオ・ペレスだった。
 今季初のスプリント形式で行なわれたアゼルバイジャンGP。今回からレース週末のフォーマットが変更となり、土曜日にスプリントイベントが集約され、決勝のグリッドに影響を与えない形となった。
 金曜日に行なわれた決勝レース用の予選では、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2番手、スプリントを制したペレスが3番手に並んだ。
 日曜日の天気は快晴。気温25度、路面温度は42度というコンディションの中、決勝レース開始の時刻を迎えた。
 ほとんどのドライバーが選んだタイヤは新品ミディアムタイヤ。18番手ニック・デ・フリーズ(アルファタウリ)と、ピットスタートを選択したエステバン・オコン(アルピーヌ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の3名がハードタイヤを選択した。
 赤く灯った5つのシグナルが消え、51周の決勝レースの幕が切って落とされると、ルクレールが好発進を見せ首位をキープ。フェルスタッペン、ペレスと続き、上位陣に順位の動きはなかった。
 8番手スタートの角田裕毅(アルファタウリ)はスタートの加速が悪く、オープニングラップで11番手スタートのジョージ・ラッセル(メルセデス)らに抜かれ、10番手となって2周目を迎えた。
 DRSが使用可能となるとフェルスタッペンは、4周目のターン1で首位ルクレールのインを刺し、トップに浮上。ルクレールは1周でフェルスタッペンから1秒以上離され、6周目にはペレスにも交わされ3番手に後退した。
 土曜日のスプリント同様にタイヤデグラデーション(性能劣化)は大きく、レース10周を前に後方のドライバーから続々とミディアムタイヤからハードタイヤへと交換していった。
 上位のドライバーもそれに続いたが、デ・フリーズがターン3のイン側に左フロントタイヤをヒット。ターン4でマシンを停めたため、コース上には黄旗が振られた。
 このタイミングで首位フェルスタッペンがピットへ飛び込んだ。しかし、その後セーフティカー(SC)出動へと切り替わったことで、早めに動いたフェルスタッペンは割りを食い、1周遅れでピットインを行なったペレスだけでなくルクレールにも再び先行を許すこととなった。
 14周目からレースが再開されると、フェルスタッペンはすぐさまルクレールを抜き返し、2番手へ返り咲き。別次元の速さを見せるレッドブルが再びワンツー体制を築いた。
 レッドブルの2台は1分45秒台と後続より1周1秒速いペースで飛ばし、19周目には首位ペレスと3番手ルクレールの差は6秒へと開いていた。
 その後方では、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がカルロス・サインツJr.(フェラーリ)を再スタートで交わして4番手に浮上。もう1台のアストンマーチン、ランス・ストロールもアロンソに鼓舞されつつサインツJr.を追ったものの、ターン16でワイドに膨らんだことでルイス・ハミルトン(メルセデス)に交わされ、8番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)にも迫られることとなった。
 ラッセルから大きく遅れて、スタートからハードタイヤで走り続けるオコンが9番手、ヒュルケンベルグがそれに続いたことで、タイヤ交換義務を消化済みのランド・ノリス(マクラーレン)や角田裕毅(アルファタウリ)などにとってはDRSトレイン状態となってしまい、抜くに抜けないという状況が続いた。
 先頭に目線を戻すと、ペレスとフェルスタッペンの差は2秒以上に拡大。フェルスタッペンはペレスを追う中で、ディファレンシャルとエンジンブレーキに違和感があると訴えたが、走行自体には問題がなかったようだ。
 ペレスは35周目に1分44秒台までペースアップ。フェルスタッペンはそれについていくことができず、その差は3秒に開いた。
 フェルスタッペンは、レース最終盤にペースを上げてペレスとの差を詰めるも力及ばず。ペレスが最後まで首位をキープしてトップチェッカー。ペレスは土曜日のスプリントと合わせて、2日連続での勝利となった。また、アゼルバイジャンGPは一昨年に次ぐ2勝目となり、同GPで初めての複数回勝者となった。
 3位にはポールポジションからのスタートだったルクレール。優勝したペレスからは19秒差でのチェッカーと、レースペースではレッドブルに遠く及ばなかったが、今季初めての表彰台を獲得した。
 4位にはアロンソ。4戦連続表彰台獲得とはならなかったが、レース終盤にはルクレールやフェルスタッペンとのファステストラップ争いに加わるなど、今回も印象的な走りを見せた。
 5位にはハミルトンからポジションを守りきったサインツJr.。7位にストロール、8位にはレース最終盤にソフトタイヤへ交換してファステストラップの1ポイントをもぎ取ったラッセルが入った。9位にはノリス。10位には角田が入り、2戦連続でポイントを手にした。
 次戦は1週間後のマイアミGP。フェルスタッペンとペレスのチームメイトバトルや、熾烈な中団争いの中で着実にポイントを稼ぐ角田の走りから、引き続き目が離せそうにない。
 
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