マクラーレンF1のマシンに巣食う”持病”。問題は時代遅れの風洞施設にアリ? 「我々の限界と関係があるかも」とチーム代表

 

 マクラーレンF1でチーム代表を務めるアンドレア・ステラ曰く、チームが使用してきたシミュレーション施設が時代遅れとなっていることが、近年のマシンに共有される”持病”を引き起こしているという。
 というのも、マクラーレンは旧規定のマシンから同じ特性に悩まされているのだ。
 F1は2022年シーズンからテクニカルレギュレーションが変更され、グラウンドエフェクトマシンが復活した。ただし、昨年の『MCL36』は2021年マシンと同様に、コーナー中盤でのハンドリングの予測不能さが指摘されてきた。
 ドライバーのランド・ノリスは、今年の『MCL60』にも同様の不満を抱いており、ステラも路面のグリップが低いコンディションや、ドライバーがスロットルやブレーキから足を離した時にマシンが不安定になると語っている。
 こうした持病がレギュレーション変更後も引き継がれていることから、ステラはマシン設計上の問題が、チームの方法論や風洞でコース上の状況を正確に再現できていないことに起因すると考えている。
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 マシンのハンドリングに問題があるのはなぜか、との質問に対してステラは、空気抵抗の多さも指摘しつつ、次のように語った。
「このパターンは変わっていないと言わざるを得ない」
「以前、これが空力効率の問題だと話をしたことがある。ストレートでのタイムの失い方を見れば、空気抵抗が理由でロスしているのは事実だ」
「全体的に見れば、マシン特性を変えずにダウンフォースを増やせば、かなり速くなるはずだ」
「ただ、全体的にダウンフォースが大きく、かつ空気抵抗は少ないというアドバンテージを得るにあたっては、我々が改良中のインフラ設備が関係している可能性がある。コース上のコンディションというのは常に変化するものであり、それを風洞で完璧にシミュレートするのは難しいのだ」
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