アロンソ、今後のインディ500への挑戦には疑問「最大限にコミットすることは望んでいないかも」

 

 フェルナンド・アロンソは、最終的にF1から引退したとしても、インディアナポリス500マイルレースに真剣に取り組むのに必要なレベルの強い意志はないかもしれないと語った。

 これまでアロンソは、キャリアのなかでインディ500、ル・マン24時間耐久レース、F1モナコGPで優勝を飾り、モータースポーツの“三冠”を獲得したいという願望を公言していた。過去に三冠を達成したドライバーは、グラハム・ヒルただひとりだ。アロンソはすでに三冠のうち二冠を達成しているが、インディ500についてはこれまでの3回の挑戦で優勝することはできなかった。

 最初の試みは、2017年にマクラーレンから参戦するはずのモナコGPを欠場し、同じ日にアメリカで行われたインディ500に参戦した時だった。アロンソはある時点で首位に立ったが、エンジントラブルが起きたためレース後半にリタイアした。F1を離れた2019年は、アロンソは冴えないミスによってインディ500のグリッドにたどり着けなかった。その後、直近では2020年にも挑戦したが、21位で終わった。

2017年にマクラーレン・ホンダ・アンドレッティからインディ500に参戦したフェルナンド・アロンソ
2017年にマクラーレン・ホンダ・アンドレッティからインディ500に参戦したフェルナンド・アロンソ

 それ以来アロンソはF1に注力し、アストンマーティンでキャリアを復活させた。2023年の世界選手権では最初の5戦のうち4戦で表彰台を飾り、現在ドライバーズ選手権では3位になっている。

 41歳で現在のグリッドにおいて最年長ドライバーとなっているアロンソは、F1での時間が終わりに近づいていることを認識している。多くの人々が、彼が次に何をするのか知りたがっている。アロンソはまた三冠達成に取り組むだろうという考えがいつも一番に想定されるが、マイアミで『Sky Sports』のマーティン・ブランドルと話をした時は、あまり熱心ではないようだった。

 インディ500にふたたび挑戦する野望はまだ残っているのか尋ねられたアロンソは、ブランドルに「ある」と語った。

「でも高くコミットしなければならないし、100%でなければならないと思う」

「F1を辞めてインディにコミットしたのは5月だったけれど、あそこのマシンは細やかな点が大きな違いを生み出すと思う」

 そしてそれがインディカーの常連選手たちが常に優位に立つ理由だとアロンソは語った。

「僕はスピードがないかもしれないし、彼らほどの準備ができていなかもしれない。それは認めなければならない。インディ500で勝ちたかったら、何回かの挑戦と最大限のコミットメントが必要だ。そして事前に何度かオーバルを走行しなければならない」

「またF1を辞める時は、そこまでコミットすることは望んでいないかもしれない。それに危険な要素もある」

 代わりにラリーが彼の目に留まっており、有名なダカールのレースにエントリーする可能性があるようだ。

「自分がキャリアの終盤にいることはわかっている。それが2年か3年か4年のうちになるのかはわからない。その後はダカールに挑戦するかもしれない」

「ル・マン24時間やデイトナで優勝し、インディ500を経験したが、いつか運よくダカールで優勝したら、それは前例のないことだと思う。F1とは正反対のものだけれど、だからこそ僕にとって魅力的なんだ」

 アロンソは2020年に今のところ唯一にして初のダカールラリー出場を果たし、健闘して13位で正式にフィニッシュした。

「本当に楽しい経験だった。F1のような準備やコミットメントはいらないかもしれない」

フェルナンド・アロンソがドライブする310号車トヨタ・ハイラックス
フェルナンド・アロンソがドライブする310号車トヨタ・ハイラックス

 だが今のところは、アロンソは新たな成功が続く限りそのことに集中する。「アストンマーティンでの時間を楽しんでいる」と語り、ステアリングを握る残された時間が過ぎても引き続きチームに留まる可能性があると示唆した。

「F1で20年以上仕事をした後、将来はチームの助けになれるかもしれない。僕にはチームを助けるための知識があるかもしれない」

「その役割について正確にはわからないが、僕の想像のなかにあることだ。そもそも不可能かもしれないけれどね」

「家でテレビの前に座ってレースを見ていたら、どこかのチームに何かしてあげられるかもしれないと感じるだろう。多分それが僕の願いだ。それと並行してダカールに何回か出場し、ステアリングを握って楽しむかもしれない」

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2023年F1第5戦マイアミGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

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