フェラーリ、スペインGPで投入した新サイドポンツーンは「レッドブルのアイデアを”急いで”コピーしたわけではない」と主張
フェラーリは先日行なわれたF1第8戦スペインGPで、開幕戦から使ってきた”バスタブ”と呼ばれるサイドポンツーンから、多くのライバルが採用しているダウンウォッシュ型に近いサイドポンツーンを投入した。しかしフェラーリはこのデザイン変更について、今季圧倒的な速さを見せているレッドブルのアイデアを単純に真似たわけではないと主張する。
厳しい2023年シーズン序盤戦を過ごすことになったフェラーリ。ここまでは優勝はおろか、表彰台を狙うことすら難しいレースが多い状況となっている。
そんなフェラーリは、スペインGPで大規模なアップデートを投入。特に目立ったのはサイドポンツーンで、それまで使っていたバスタブ型から、ライバルチームの多くが使うダウンウォッシュ型に近いデザインに変更した。
ライバルであるレッドブルが速いため、フェラーリはこのアイデアを模したのではないかという声もあった。しかしフェラーリでドライバーコーチを務めるジョック・クレアはこのデザイン変更について、数ヵ月前からファクトリーで準備されてきたモノだと言う。
「ニューマシンを発表する時は、誰もがそのマシンに自信を持っている。『このサイドポンツーンを採用したけど、これには納得できていない』なんて言う人は誰もいない」
サイドポンツーンを変更したことについて尋ねられたクレアは、motorsport.comに対してそう語った。
「我々の誰もが、自分たちがやってきたモノについて自信を持っている。でも我々は、他の人たちがやっていることから学ばなければいけないし、自分たちがやっていることからも学ばなきゃいけない」
「我々は他のチームのモノをコピーしているわけじゃない。彼らが何をしてきたか調べて、風洞でそれがどう機能するのかということを確認しようとしている」
「それ(新しいサイドポンツーン)は機能しているから、今マシンに搭載されている。結局のところ我々は、科学と空力の素晴らしい点、このスポーツの素晴らしい部分とそれを行なう理由を追い求めるだけだ。私の場合は30年間、毎日違うし、毎年違うし、そして扱ってきた全てのマシンも異なる」
「我々はまだ学んでいるところだ。問題を解決するための方法は無数にあるが、全てを補うことはできない」
クレア曰く、ライバルチームのコンセプトを模倣するのは非常に簡単だが、それによって機能しないパーツをマシンに搭載してしまうリスクを負うことになると説明する。
「他のチームがうまくやっているのを見て、それを自分たちの風洞で理解したとしても、条件反射的にマシンに搭載しようとしないように、規律を持っている必要がある。そういうのは、うまくいかないだろうからね」
「それを理解し、自分たちのマシンで使えるようになるには、2〜3ヵ月はかかるだろう」
「皆さんが目にしているのは、その結果である。そして、その先の発展に繋がるだろう。我々は新たな道を模索し始めたところだ」
クレアはまた、サイドポンツーンの変更はプレシーズンテスト開始時から検討されていたものの、それの投入を決断したのは約2ヵ月前だったと明かした。
「それは本質的な開発のひとつだ」
そうクレアは語った。
「最初のテストの初日から、それを検討していた。様々なマシンを見て、それぞれのチームの解決策を見て、『なるほど! もしかしたら他にも解決方法があったのかもしれない』と考え始めるんだ」
「レッドブルの優位性が明らかになったならば、彼らが何をしているのか、それを注意深く観察する必要がある。それは明らかなことだ」
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