フェルスタッペンが今季6勝目でアイルトン・セナに並ぶ通算41勝目。アロンソがハミルトンとの対決制して2位……角田裕毅14位|F1カナダGP決勝

 

 カナダ・モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台にF1第9戦カナダGPの決勝レースが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウィンを手にした。
 前日の予選日とは異なり、決勝日の天候は晴れ。現地14時頃のコンディションは、気温18度、路面温度33度という状況だった。
 この週末、ドライでの走行はフリー走行1回目の実質キャンセルにより30分拡大されたフリー走行2回目のみ。通常のグランプリほど走り込めていないという状況だった。
 フロントロウに並ぶフェルスタッペンとフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を始め、上位勢はスタートタイヤにミディアムタイヤをチョイス。後方では、12番手スタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)などがハードタイヤを履いた。
 全70周の決勝レースがスタートすると、フェルスタッペンが抜群の蹴り出しを見せ、トップでターン1へ。3番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)がアロンソを交わして2番手に浮上した。
 オープニングラップでは激しいポジション争いが随所で繰り広げられたものの、アンダーグリーンのままレースは2周目に。フェルスタッペンから4番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)までがひとつの集団となり、後続を引き離していった。
 ペナルティもあり19番手からのスタートとなった角田裕毅(アルファタウリ)は1周目の終わりにピットへ入り、ミディアムタイヤからハードタイヤへ変える戦略に打って出た。
 すると7周目にローガン・サージェント(ウイリアムズ)のマシンにトラブルが発生。ターン7にマシンを止めたことで翌周にバーチャル・セーフティカー(VSC)が提示された。
 VSCは早々に解除されてレース再開。フェルスタッペンが快調に飛ばす一方、2番手ハミルトンの後ろにはアロンソとラッセルが1秒差で続いた。
 しかしそのラッセルは12周目のターン9でクラッシュ……損傷したマシンをガレージまで運ぶことはできたものの、これによりセーフティカー(SC)が出動。トップ3を含めミディアムタイヤ勢のほとんどがピットへ入った。なお、既にピットインを済ませていた角田は、他車のピットストップにより13番手にまで浮上した。
 レースは17周目から再開。ステイアウトを選択したミディアムタイヤ勢のフェラーリ勢は、温まりが悪いと言われるハードタイヤを履くトップ3の攻略を目指したが、4番手のシャルル・ルクレールは3番手アロンソについていくことができず。ペースの良いアロンソは、22周目の最終シケインでハミルトンを攻略して2番手に浮上した。
 タイヤのデグラデーション(性能劣化)は大きく、後方を走るドライバーの多くはレース折返しで続々と2度目のピットイン。上位勢もミディアムタイヤで引っ張ってきたフェラーリ勢からピットへ戻り、ハミルトンが40周目の終わりに2回目のピットストップを行なった。
 アストンマーチンはハミルトンの動きに反応してアロンソを翌周ピットへ呼び込む。ハミルトンがミディアムタイヤを選択した一方で、アロンソはハードタイヤで3スティント目に繋いだ。
 42周目終わりにミディアムタイヤへ替えたフェルスタッペンは、2番手以下に十分なマージンを持ってコースへ戻り、優勝へ向けて盤石な体制を築いた。
 マシンに問題を抱える2番手アロンソにハミルトンが徐々に接近。58周目にはアロンソとハミルトンの差が2秒を切ったものの、アロンソは62周目に自己ベストをマーク。ハミルトンに追撃を諦めさせるかのように、再びその差を広げていった。
 フェルスタッペンは2番手アロンソに対して9秒の差を持って最終ラップへ。そのままチェッカーまでマシンを運び、今季6勝目を挙げた。フェルスタッペンはこれで通算41勝目となり、アイルトン・セナの勝利数に並んだ。またレッドブルとしては、開幕からの連勝記録を8に伸ばすと共に、通算100勝目となった。
 アロンソは今季2回目の2位表彰台。3位となったハミルトンとの最終的な差は4.5秒だった。4〜5番手にフェラーリのふたりが入った。
 ペレスは6位留まりとなったものの、最終盤にソフトタイヤを履きファステストラップを記録した。
 予選Q2でトップタイムと驚きの活躍を見せたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、決勝でも殊勝の走りを見せて7位入賞。直線パフォーマンスの高さを武器に、後続を抑え込み続けて貴重なポイントを獲得した。
 8位にオコン。最終周までコース上でバトルを演じたランド・ノリス(マクラーレン)は、SC中に必要以上に遅く走ったとして5秒のタイム加算ペナルティが科されたため、入賞圏外でのフィニッシュとなった。
 最後の最後でバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を抜いたランス・ストロール(アストンマーチン)が9位。ボッタスが最後の1ポイントを掴んだ。
 アルファタウリの角田は14位。序盤のタイヤ戦略で順位を上げたものの、2回目のピットストップを遅らせたことでライバル勢にアンダーカットを許して後退。その後順位を上げていったものの、ポイント獲得には届かなかった。
 次戦は2週間後のオーストリアGP。F1は再び舞台をヨーロッパへ移し、夏休み前の4戦を迎える。
 
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