FIA、グリッドへのセレブ立ち入りを厳格に規制か。フォーメーションラップ中にコース脇にとどまった一件に懸念を表明

 

 FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の2023年2回目の会合が、6月20日、スペイン・コルドバのパラシオ・デ・コングレソスで実施され、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが、今年F1でコースに観客が侵入したこと、レースのフォーメイションラップの際にゲストがグリッドの端に残っていたことを問題視し、関係者の安全を守ることを最優先すると、改めて強調した。

 第3戦オーストラリアGPでは、レース直後に観客がコースに侵入するという事件があった。プロモーターであるオーストラリア・グランプリ・コーポレーションは6月末までにこの事件についての報告書を提出する予定であり、そのなかには、安全およびセキュリティ上の懸念に対処するための改善計画が盛り込まれることになっている。

 ビン・スライエムFIA会長はまた、「スペインGPでのインシデント」に関連し、ゲスト、関係者、チームなどグリッド上の全員の健康と幸福を守ることがFIAの優先事項であると強調した。このインシデントは、第8戦スペインGP決勝のフォーメイションラップが行われている間も、何人かのゲストがストレート脇の芝生にとどまっていたことを指している。スタート前のグリッドに、一部ゲストが立ち入ることは許可されているが、FIAはこれについての規制を厳しくする可能性があることを、ビン・スライエム会長は示唆した。

2023年F1スペインGP 決勝フォーメイションラップ
2023年F1スペインGP 決勝フォーメイションラップ

 FIAイベントにおける安全性の問題が提起されたという20日の会合後、ビン・スライエムFIA会長は次のようにコメントした

「我々はスペインGPでの出来事から学ばなければならない。 FIAはステファノ・ドメニカリ(F1のCEO)から、事件が繰り返されないよう対策を講じていると保証された」

「F1だけでなく、フォーミュラEや世界耐久選手権、その他のカテゴリーでも、問題になっている。最近の私の経験からすると、一部のイベントではグリッドに立ち入る人々の数が多すぎる。どのような場合でも、プロモーターが安全やセキュリティに関するFIAの要求事項を順守するということを私は確信している。すべての人にとって安全な環境を確保することは、FIAの義務だ。モータースポーツにおける安全は、連盟の主要な優先事項である」

 ビン・スライエム会長は他に、現在2022年のバジェットキャップ関連のチームからの提出書類の調査、F1に新規参入することを希望するチームからの申請に関する作業を順調に進めていると述べた。また、ネット上の嫌がらせ行為と戦うための取り組みを進め、いくつかの国の大公や首相、他のスポーツ団体の代表者とも対話を行っているという。

 一方、20日のWMSC会合においての決定事項として、2026年の新たなF1パワーユニットレギュレーションにいくつか変更を加えることを承認したことが明らかにされた。また、2026年~2030年における2社の単独サプライヤーの指定も承認され、ノックセンサーのサプライヤーはボッシュ、絶縁監視デバイスのサプライヤーはベンダーが務めることが決まった。

 さらに、会合後の報告により、F1全10チームとF1商業権保有者がFIAから三つ星の環境認定を取得したことも確認された。

F1&雑談
小説
開発
静岡

小説やプログラムの宣伝
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです