メルセデスF1代表もタイヤウォーマー禁止案に反対「素晴らしいショーを見せたいがドライバーの意見を聞くことが必要」

 

 メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、F1でタイヤブランケットを禁止するにあたっては多くのリスクがあり、利点はほとんどないと考えている。

 F1関係者は、持続可能性への取り組みの一環として、電気タイヤウォーマーを禁止する計画を進めるか否かについて7月末に投票を行う。最近実施されたピレリのブランケットレスタイヤのテストでは、問題は何も報告されなかったが、タイヤウォーマーを禁止する可能性について一部のドライバーは批判している。冷たいタイヤでコースに出た時、必然的にクラッシュにつながると懸念しているためだ。

「本当に正直に言うと、F1はこうしたタイヤをレースの計画に持ち込む状況にはまだないと思う」と最近メルセデスのジョージ・ラッセルはコメントしている。

「ピットストップ中にピットレーンにいるメカニック全員のことがとても心配だし、寒いコンディションでのレースのアウトラップについても大きな懸念を抱いている」

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
バルセロナでピレリの2024年用タイヤのテストを行ったジョージ・ラッセル(メルセデス)

 ウォルフも、2024年からのタイヤウォーマー禁止には反対しており、ドライバーの意見が優先されるべきだと主張してる。

「チーム特有の考えなどは抜きにして、最終的に我々は素晴らしいショーを展開したいし、ドライバーたちの意見に耳を傾ける必要があると思う」とウォルフはモントリオールで語った。

「そしておそらくひとりではなくドライバー全員に対して、タイヤウォーマーをなくすことについて意見を聞きたい。潜在的な安全上の問題を引き起こす可能性のある実験を、なぜ我々が行うのかという点については、私もドライバーたちと意見が近い。それがスパ・フランコルシャンでいかに間違った方向へ進み得るか、我々は目にしてきた」

「そうして、我々が達成したいことは何だろうか? 我々が、1年を通してほとんど使うことのないウエットタイヤ用タイヤヒーターにエネルギーを使わない、ということだろうか?」

「リスクと利点は、私の人生における理解では、十分に評価する必要があるものだ。F1マシンにドライバーを乗せて、楽しみのために実験をすることに大きな利点があるとは思わない」

 ウォルフは、7月末にF1コミッションで投票が行われた場合、ドライバーからのフィードバックに基づいて反対票を投じるだろうと認めた。

「ドライバーの意見に従ってタイヤについての投票を行うつもりだ。ミック、ルイス(・ハミルトン)、ジョージの意見が何であれ、私はタイヤウォーマーについての投票は彼らの意見を基に行うだろう」

 2024年もタイヤブランケットを使用するべきかどうか尋ねられたミック・シューマッハーは、ウォルフに黙ってうなずいてみせた。

「これで私がどちらに投票するかわかっただろう」とウォルフは述べた。

トト・ウォルフ代表(メルセデス)
トト・ウォルフ代表(メルセデス)

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