フェルスタッペンが今季6度目のPP。予選はトラックリミット違反多発で大波乱【レポート/F1第10戦】
現地時間6月30日、2023年F1第10戦オーストリアGPの予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季6度目となるポールポジションを獲得した。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は16番手で予選を終えている。
現地時間17時(日本時間24時)、オーストリア・シュピールベルクにあるレッドブルリンクを舞台に、気温27度、路面温度43度、湿度36%、曇り空のもと予選は開始された。なお、今大会ではC3タイヤがハード(白)、C4タイヤがミディアム(黄)、C5タイヤがソフト(赤)と、もっとも柔らかめのコンパウンドが割り当てられている。
今年2度目のスプリントイベントとなるオーストリアGP、この金曜日の予選結果は7月2日に行われる71周の決勝レースのグリッドに適用される。
■Q1:角田裕毅は0.187秒届かず
全20台が出走する18分間のQ1、混雑を避けることを狙ってかレッドブル勢も早めにコースイン。セッション開始から4分が経過した時点でフェルスタッペンが1分5秒190をマークしトップに浮上。0.703秒差の2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、そして0.720秒差の3番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く。
残り13分というところでバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がターン1でスピンを喫し、ターン1の立ち上がりでマシンを止めた。これで残り時間11分49秒というところでセッションは赤旗中断となる。なお、ボッタスはリスタートを切り、自力でピットに戻ることが叶ったため、赤旗中断は短時間に終わった。
現地時間17時12分(日本時間24時12分)にセッションは再開を迎えた。ただ再開直前、暫定首位につけていたフェルスタッペンの1分5秒190というタイムが、ターン10(最終コーナー)でのトラックリミット違反により抹消となる。これでフェルスタッペン、そしてルイス・ハミルトン(メルセデス)、サインツ、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)らもトラックリミットによりタイム抹消という状況でセッション再開を迎えた。
これでより慌ただしさを感じさせるQ1となるなか、各車ふたたびアタックへ。ここでフェルスタッペンが1分5秒116を叩き出し、暫定首位に返り咲く。2番手にサインツ、3番手にルクレール、4番手にランド・ノリス(マクラーレン)、5番手にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)というオーダーでQ1は残り7分を迎えた。
終盤、残り3分を切ったところでノリスが1分5秒179をマーク。フェルスタッペンに0.063秒差の暫定2番手につけるが、その直後ペレスが1分5秒177をマークし、レッドブルのワンツー体制に。これでノリスが3番手、4番手サインツ、5番手ルクレールと続いた。なお、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は9番手でQ2進出を決めた。
一方、角田は1分5秒784をマークも、最後に当落線上にいたボッタスが角田を下して15番手に浮上。これで角田は0.187秒差の16番手となり、Q2進出とはならなかった。以下、17番手周冠宇(アルファロメオ)、18番手ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、19番手ケビン・マグヌッセン(ハース)、20番手ニック・デ・フリース(アルファタウリ)の5台がQ1ノックアウトとなった。
■Q2:ペレス、4戦連続でQ3進出を逃す
15分間のQ2がスタートすると、またしてもレッドブル勢が真っ先にコースイン。まずは、フェルスタッペンが1分4秒955をマーク、2番手に0.073秒差でペレスが続いた。そして1分5秒038をマークしたノリスが3番手続き、マクラーレンが投入したアップデートの効果を知らしめる。
そんななか、セッション残り11分というところで、フェルスタッペンの1分4秒955というタイムがトラックリミット違反に。そしてペレスもターン9でトラックリミットを取られ、レッドブルは2台ともにQ1最初のタイムが抹消という状況に。2セッション続けてのトップタイム抹消に「冗談だろ」とフェルスタッペン。
そんなフェルスタッペンはセッション残り7分というところで1分4秒951をマークし暫定首位に。そしてサインツが0.085秒差の2番手でノリスのタイムを上回り2番手に浮上。また、ペレスもふたたびアタックし、Q3進出安全圏に入る。
しかし、Q2残り4分を切ったところでターン9でのトラックリミットにより、ペレスがQ2で2度目となるタイム抹消で15番手に後退。その判定の直後ペレスは急ぎコース入り。チームからは「とにかくタイムを出すように」と無線が飛ぶ。また、残り1分30秒というところでラッセルもタイム抹消で14番手に後退と、上位勢も危機的状況に追い込まれる。
ペレスは最後のアタックで1分4秒990で2番手に浮上。これで安全圏内は確実かと思われた。しかし、ペレスはこのアタックまでもが抹消というまさかの展開に。この時点で残り時間はなくなり、Q2は終了。11番手ラッセル、12番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、13番手ピアストリ、14番手ボッタス、15番手ペレスと、Q2ノックアウトの5台は全車がトラックリミットによりタイム抹消の影響を受けるという波乱のセッションとなった。
また、10番手アルボンもベストタイム抹消となったが、ラッセルに対し0.041秒差でQ3進出を果たした。なお、15番手のペレスは4戦連続でQ3進出を逃す事態となった。
■Q3:フェルスタッペンの勢いは止まらない
ポールポジションを決める最終Q3は12分間。アルボンが真っ先にコースインし、1分5秒823をマークする。Q2でのトラックリミット・パラダイスに懲り、Q3は各車比較的慎重にタイムを置きに行ったかと思われたが、フェルスタッペンが最初のアタックで1分4秒503という驚速タイムで暫定首位に浮上。さらにルクレールが2番手に続くが、フェルスタッペンには0.206秒届かない。
3番手サインツ、4番手ノリス、5番手ハミルトン、6番手アロンソ、7番手ガスリー、8番手アルボン、9番手ヒュルケンベルグ、そしてトラックリミットを取られたランス・ストロール(アストンマーティン)が10番手というオーダーでセッションは残り5分を迎えた。
真っ先に2度目のアタックに入ったアルボンはクリアラップの中、1分5秒340をマークして暫定6番手と善戦。しかし、ターン9でトラックリミット違反となり、タイムアップならず。攻めれば攻めるほど、トラックリミットが出るという、ドライバーにとってはもどかしい状況が続く。
残り1分30秒を切り、アルボンを除く9台がアタックへ。そこでフェルスタッペンが1分4秒391と、自身が記録していた全体ベストタイムをさらに縮める。また、ルクレールも自己ベストタイムを縮めるも、フェルスタッペンには0.048秒届かずの2番手となり、フェルスタッペンが今季6度目となるポールポジションを獲得した。
2番手のルクレール以下、3番手サインツ、4番手ノリス、5番手ハミルトン、6番手ストロール、7番手アロンソ、8番手ヒュルケンベルグ、9番手ガスリー、10番手アルボンと続いた。
2023年F1第10戦オーストリアGP決勝は、スプリントイベントが開催される土曜日を挟み、7月2日(日)の日本時間22時にスタートを迎える。
積読本や購入予定の書籍の情報を投稿しています
小説/開発/F1&雑談アカウントは、フォロバを返す可能性が高いアカウントです