F1オーストリアGPでのペナルティ連発は防げたかも? 実は昨年時点でFIAがレッドブルリンクにグラベル設置を進言していた
FIAレースディレクターであるニールス・ウィティヒは2022年オーストリアGP直後、舞台となったレッドブルリンク側に、最終セクションへグラベルトラップを設置するよう進言していた。
この進言はサーキット代表に却下され、縁石とランオフエリアの配置はそのままで2023年大会を迎えた。しかしグランプリ中、トラックリミット違反の疑いが1,200件以上報告され、深夜にまで審議が及んだ末に決勝の最終順位が入れ替わった“前例のない”混乱を受けて、今後に向けてどう改善できるのかが問われている。
そして、レッドブルリンク側がFIAの進言に従っていれば、トラックリミット違反の連発は回避できたのではないかという指摘がなされている。
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レッドブルリンクではレイアウトの特性上、トラックリミットが常に議論されてきた。
これまでレッドブルリンクではソーセージ縁石が使用されることもあったものの、これが多くのアクシデントを引き起こしたため、安全上の懸念から廃止が決まった。
しかし、ここ最近になってF1が白線をトラックリミットにする厳格なスタンスを採るようになったことで、下り坂の高速右コーナーとなっているターン9〜ターン10は簡単にトラックリミット違反を犯してしまうセクションとなった。
2022年大会後、こうした問題も踏まえてレースディレクターのウィティヒがレッドブルリンク代表宛に書簡を送り、ターン9とターン10のデザインに手を加えるよう提案していた。
その書簡の中でウィティヒは、当該コーナーに小さなグラベルトラップを追加し、トラックを逸脱しないよう物理的な抑止力として機能させるべきだと明確に指摘した。
ただレッドブルリンクではMotoGPも開催されており、純粋なアスファルトのランオフエリアが望まれ、設計変更は複雑なモノとなるため、要望が実現することは無かった。
しかし2023年大会の結果を受けて、FIAがレッドブルリンクに対し、2024年大会に向けて進言に従うよう圧力を強め、四輪レースと二輪レースの双方において有効な解決策を見つけるよう求めるのは間違いないだろう。
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