メルセデスF1、アップデート投入もW14は「手に負えないまま」と代表。まもなく2024年型マシンの開発に着手か
メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、メルセデスは“ディーバ2.0”とでも言うべきW14の気まぐれな特性を諦め、開発の焦点を2024年型マシンに切り替える以外に「選択肢はない」と述べている。
メルセデスは今年、2022年の最初のグラウンドエフェクトカーの進化版であるW14を開発した。このマシンはトラブルの多かった前身のW13よりも、特に一貫性の面でより優れたパフォーマンスを発揮すると考えられていた。しかしメルセデスの希望はバーレーンでの開幕戦で打ち砕かれ、エンジニアたちはマシンの空力特性をライバルチームのデザインに近づけるべく、アップグレードパッケージを考案するために製図台に戻ることになった。
新スペックのW14はモナコで投入され、明らかな改善が見られた。そのことはチームがスペインとカナダで表彰台を獲得したことによっても示されているが、決定的な一貫性の欠如は、マシンの根本的な設計に残ったままだった。
シルバーストンでメルセデスは新しいフロントウイングを導入したが、チームの相対的なパフォーマンスにそれほど影響はなく、ジョージ・ラッセルは予選6番手、ルイス・ハミルトンは予選7番手につけたにすぎなかった。レースでは、終盤のセーフティカー導入中のタイムリーなピットストップが功を奏し、ハミルトンは表彰台の3段目をマクラーレンのオスカー・ピアストリから奪い、一方のラッセルは5位でフィニッシュした。
「全体的に、マシンはこの数年にシルバーストンで見られたようなものではなかった。このコースで、我々は圧倒的な強さを見せてきたものだ」とウォルフは日曜日のレース後に指摘した。
「直近のライバルたちと比べると、トップスピードはそれほどよくなかったし、予選でもコーナー出口のトラクションで苦戦していた。だから全体としてマシンは手に負えないままだ」
イギリスGPの前、ウォルフはシルバーストンでのレースが、メルセデスにとってレッドブルを破って勝利を達成するための“最高のチャンス”になると考えていた。しかし複雑で予測のつかない変化をもたらすW14のことを考えると、メルセデスの勝算は他のタイプのコースにあるかもしれないと、今ではウォルフは考えている。
「ベストを尽くせるコースは他にあるかもしれない。マシンの特性は変化しているからだ」とウォルフは説明した。
「私は常にマックス(・フェルスタッペン/レッドブル)に勝てると信じている。我々には優れたグループと、最高のドライバーがいる。ディーバ2.0とは違う、より予測がつきやすいが、初代のものよりはるかに複雑なマシンを彼らに与えなければならないだけだ」
メルセデスが2023年マシンの開発を止めて、すべてのリソースを来シーズンへ切り替えるのはいつになるのか尋ねられたウォルフは次のように答えた。
「まもなくだと思う。選択の余地はない。(チャンピオンシップの)2位と3位は、基本的に私やチームに影響を与えることはない。世界タイトルを獲得できるように復活することが重要なのだ。その点については、今年は実現しないだろう」
「そのため、我々は来年と来年に行われるすべてのレースに目を向け、学び、開発を行って、それを来年につなげられるようにする必要がある。とはいえ、レギュレーションは同じなので、このマシンで走り続けても学ぶことは何もない。そのバランスをうまく取る必要がある」
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