F1 Topic:開幕11連勝の記録がかかるレッドブル。強みを活かしづらい低速コースでライバルを警戒
ホンダのスタッフにとって、今週末の第12戦ハンガリーGPは特別なグランプリとなる。前回のイギリスGPで開幕10連勝を達成し、今回は開幕11連勝がかかったレースとなるからだ。
過去に開幕11連勝したのは、1チームしかいない。1988年のマクラーレン・ホンダだ。この年、マクラーレン・ホンダは開幕戦でアラン・プロストが勝利すると、その後チームメイトのアイルトン・セナとともに第11戦ベルギーGPまで11連勝という金字塔を打ち立てた。
今年のレッドブル・ホンダRBPTも開幕戦から第11戦イギリスGPまで10連勝(第6戦エミリア・ロマーニャGPが中止となったため)。今回の第12戦ハンガリーGPでレッドブルが優勝すれば、開幕11連勝となる。
そのためか、ホンダのスタッフにはいつもよりも緊張感が漂っている。しかも、前戦イギリスGPではマシンをアップデートしてきたマクラーレンが予選で2番手と3番手に躍進し、レースでも序盤、接近戦を繰り広げた。今回、マクラーレン・ホンダの記録に挑戦するのはホンダだが、その記録を更新させまいと立ちはだかるのは、その記録を持つもうひとつの組織であるマクラーレンとなるかもしれない。
ホンダのスタッフが緊張感に包まれているのは、マクラーレンの躍進だけが要因ではない。ハンガリーGPの舞台であるハンガロリンクは、決してレッドブルが得意としているコースではないことも関係している。空気抵抗の少ない効率のいい空力を持つ車体に、現時点で最強と言われるホンダRBPTというパワーユニットを搭載したRB19は、高速サーキットを得意としており、低速コースではそのアドバンテージを活かすことができないからだ。
したがって、レッドブル・ホンダRBPT陣営は、このハンガリーGPでは高速コーナーでのパフォーマンスを改善してきたマクラーレンよりも、低速コーナーが多いモナコGPで速かったアストンマーティンやフェラーリを警戒している。
もうひとつ、ホンダにとって気掛かりなのは、空模様。ブダペストの週末の天気は、日曜日はドライコンディションが予想されているが、金曜日と土曜日は雨が降る確率が高い。雨という不運によって、予選で後方に沈んだ場合、レースで挽回するのがほかのサーキット以上に難しいからだ。
1988年の大記録に35年ぶりに到達することができるか、注目したい。
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