F1の予算制限がサステナビリティ追求を妨げる? マクラーレンCEO「意図せず障害になってしまっている」

 

 マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、チームが持続可能性(サステナビリティ)への投資を行なう上で予算制限が障害になっていると主張し、F1とFIAに対応を求めている。
 マクラーレンは18日(木)、年次サステナビリティレポートを発表。大幅な改善を果たしたことを誇っている。
 その中には、2019年を基準として温室効果ガス排出量を22%削減したことや、廃棄物総量を19%削減し埋立地に送られるものがなかったことなどが含まれていた。
 F1は近年、サステナビリティを重視しており、2030年までにカーボンニュートラル化を達成するという目標を立てている。
 しかしブラウンは、2021年に導入された予算制限が意図せずその障害になってしまっていると考えている。
「我々は予算制限のことを強く信じており、その整合性を損なうようなことは望んでいない。しかし、現在のレギュレーションは、サステナビリティへの投資に関して意図しない障壁を作り出している」
「この問題に関して、F1や他のチームから多くの支持を得られたことは素晴らしいことだし、FIAが次のステップを探るためのワーキンググループを設立したことをうれしく思う」
 ブラウンの言うワーキンググループは、F1とFIA、F1に参戦する10チームから構成されており、特定の環境・サステナビリティに関するプロジェクトを予算上限から除外するための議論がなされている。
 マクラーレンは以下のようなプロジェクトについて、予算制限からの除外を求めている。

多様性、公平性、包括的な取り組みとトレーニング
チームによるウェルビーイング・イニシアチブ
モータースポーツとSTEM(科学・技術・工学・数学)分野への道を提供するためのインターンや見習いプログラムのための費用

 レギュレーションについても、以下のような要件を盛り込むことを求めているようだ。

完全循環型F1マシンの研究開発を支援するため、よりサステナブルな材料やプロセスの採用を積極的に奨励する技術レギュレーション
レースカレンダー、パドック、モーターホームに関して主要な要件をカバーする明確なサステナビリティの基準を、コンコルド協定に導入すること
プロモーターや大会オーガナイザーが一定のサステナビリティ基準を満たすための明確な要件

「我々のスポーツの潜在能力を引き出し、より持続可能な技術の開発を推進し、世界規模でポジティブな変化をもたらすためには、真のステップアップが必要だ」と、ブラウンは付け加えた。
「そのためには、チームが同じ目標の達成に向けて努力し、車の性能への投資とサステナビリティへの投資のどちらかを選ぶ必要がなくなるような、公平な競争環境が必要だ」
「我々のスポーツには財務、技術、競技レギュレーションを備えた明確な規制の枠組みが必要であり、それによって我々全員がイノベーションを起こし、サステナビリティに投資することがより可能になる。我々は、業界全体で専門知識と洞察を共有するためのより良い方法を見つける必要がある」
「真のコラボレーションだけが、意味のある変化を促すのに役立つ。そして、2026年の新しいレギュレーションで一歩進んだ変化を実現したいのであれば、そうした決断を今する必要があるんだ」
 
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