F1第12戦木曜会見:テストで自信を取り戻したリカルド。復帰には楽観的な姿勢「その自信を糧に少しずつやっていく」
2023年F1第12戦ハンガリーGPの一番の話題は、なんといってもダニエル・リカルドのレース復帰だった。会見でのリカルドは、かなりリラックスした雰囲気。そして同席した他のドライバーたちは、リカルドがこれからどんなパフォーマンスを発揮するのか、興味津々のようだった。
Q:レース復帰は、思ったより早かった印象ですか?
リカルド:そうだね。まさかブダペストで復帰するとは、思っていなかった。この1年は、オフになると思っていたしね。でもそのおかげで燃料を補給し、活力を得ることができた。それに今年レッドブル・ファミリーに戻ったことで、幼い頃から慣れ親しんだチームの一員であったことや、昔の気持ちとか、いろんなことがよみがえってきた。その意味では、それほど驚くことはないかもしれない
Q:この6カ月間休んでいて、一番クールだったことは?
リカルド:数日おきに飛行機に乗らなくて済んだこと。これは、ちょっとした贅沢だったね。家で過ごす時間が少し増えたり、友人と一緒に何かできるようになったのはよかった。とてもクールな時間だったよ。でももちろん、こうして戻ってこれて幸せなのも確かだよ
Q:先週のピレリテストでレッドブルを走らせて、すぐに速さを披露したそうですね。
リカルド:テストはとても楽しかった。F1マシンの運転が、本当に僕が望んでいることなのか。それを確認する必要があった。そしてすぐに、その流れに乗ることができたよ
Q:アルファタウリには、どんな期待を寄せていますか?
リカルド:まったく違うクルマだし、まったく違うチャレンジになる。でもあまり深く考えずに、とにかく運転して、一歩一歩前進していきたいね
およそ3シーズン、チームメイトだったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、そして去年までレッドブルファミリーの一員だったピエール・ガスリー(現アルピーヌ)は、リカルドの復帰をどう感じているのだろう。
Q:かつてのチームメートが戻ってきたこと、一方で同じオランダ人で友人でもあるニック・デ・フリースが去ったことについての思いは?
フェルスタッペン:ダニエルとは先週、すでにかなり話したんだ。RB19をテストしたあとで、すごく興奮していたね。復帰を楽しみにしているのも、よくわかった。もちろんダニエルが再びファミリーの一員になれたのは、素晴らしいことだ。その一方で、僕はニックの親友でもあるから、彼がいなくなるのは悲しい。でも残念ながら、それがこの世界の仕組みでもある。ドライバーの間に険悪な感情はないと思う。それに他にも、チャンスはたくさんある。レースはF1だけじゃない。前に進むしかないんだ
Q:ピエール、あなたはどう感じてますか。
ガスリー:僕も先週初めに、ダニエルと少し話した。ニックともね。ダニエルがグリッドに戻ってきたのは素晴らしいことだし、このチャンスをどう活かしていくのかすごく興味深い。ニックがいなくなるのは寂しいけど、マックスが言ったように彼にもチャンスはたくさんあるはずだ
今季のアルファタウリは、かなりの不振に沈んでいる。そのことへの不安も、リカルドは当然持っていることだろう。しかしリカルドは、「楽観的に考えている」という。
Q:当時はトロロッソと呼ばれた古巣からの復帰については、どう思っていますか。
リカルド:楽観的に考えているよ。先週ファクトリーを訪れたんだけど、この10年間で施設は大きく変わっていた。ほとんど新しいチームというか、新鮮な環境のように感じたくらいさ。一方で、懐かしさもある。でも僕も変わったし、お互いに進化した気がする。僕の場合、しばらくレースから離れたことで、物事の見方を変える必要があった。その結果、「ああ、ここでまた苦労するんだろうな。イライラするな」とか、そんな考えから離れられるようになったんだ。ただ、楽しもうと思っている。もちろんやるべきことは多いだろうし、この週末ですべての問題を解決するつもりはない。今は週末の流れに戻ることだけを考えているよ。一方で先週、最高のクルマを運転できて、それが自信につながった。その自信を糧に、少しずつやっていくよ。世界に対して、過剰に期待しすぎないように、ゆっくりとね
Q:アルファタウリのマシンに関しては、かなり手こずる恐れもあるのでは?
リカルド:心配はしていない。でも簡単じゃないのも、確かだろうね。おそらく毎週末、しっかり作業をしなければならないクルマになると思う。でもことさら悲観的になったり、あれこれ心配したり、クルマが自分に合わないとか、そういうことは考えたくない。今はただハングリーで、行く準備ができている状態だ。そして(復帰することに)すごく興奮しているよ
最後にもう一度、フェルスタッペンにこんな質問が投げられた。
Q:ダニエルはレッドブルに最終的に復帰することが、夢のシナリオだと言いました。そしてクリスチャン・ホーナー代表は、2025年のシートへ向けた可能性のひとつとコメントしています。あなたはリカルドと再び組むことに、前向きですか?
フェルスタッペン:僕たちはとても仲がいい。そしてダニエルが今いる場所でうまくやれば、また上に行くチャンスもある。だからすべてはオープンだよ
アルファタウリでこれからどれだけの走りを披露し、どれだけの結果を残せるか。そこにドライバー人生を賭けているのはリカルドだけでなく、角田裕毅も同様だ。
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