新名称決定が近づくアルファタウリF1。ヒューゴ・ボスが新パートナー候補に浮上

 

 レッドブル社の新経営陣が、2024年に向けてスクーデリア・アルファタウリのタイトルスポンサー獲得およびネーミングライツ販売の計画を立て、高級ファッションブランド、ヒューゴ・ボス(HUGO BOSS)との間で交渉が進んでいるといわれる。

 オーストリアの情報筋によると、ヒューゴ・ボスは、現在のアルファタウリ・チームのタイトルスポンサーになるとともに、ネーミングライツを取得し、少なくとも5年間、チームの新たな名称にその名が使用される可能性があるということだ。

 ドリンク会社レッドブル社の共同創設者ディートリッヒ・マテシッツは、2006年に向けてミナルディF1チームを買収した際、新名称に、イタリア語でレッドブルの意味を持つトロロッソを選択、トロロッソの名がつく商品を売り出すことを計画していた。しかしそのプランは発展しないまま、トロロッソの名称はチーム名として使用されるにとどまり、2020年からは、レッドブル社傘下のファッションブランド、アルファタウリがチーム名に採用された。

スクーデリア・アルファタウリのファクトリー
スクーデリア・アルファタウリのファクトリー

 マテシッツは、F1チームをマーケティングツールとして活用する絶好の機会を手に入れたわけだが、結局、ファッションブランドのアルファタウリ自体が失敗に終わった。レッドブル社は最近、ヨーロッパ内のショップをすべて閉鎖、アメリカに残る2店舗についても同様の措置を講じる予定だといわれる。

 ファッションブランド、アルファタウリのプロモーションを行う必要がなくなり、レッドブル社の企業プロジェクトおよび投資担当CEOオリバー・ミンツラフは、チームを経済的に支える新タイトルスポンサーを探し始め、ネーミングライツ販売も視野に入れている。6月にレッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、2024年F1シーズンに向けて、スクーデリア・アルファタウリは「新しいスポンサーがついて新しい名称になる」と断言していた。

 レッドブルはいくつかの企業と交渉、そのなかで最も有力なのはヒューゴ・ボスであるとみられる。オーストリアの日刊紙『Kurier』は両者は合意に達し、2024年から現アルファタウリのチーム名称が変更されると報じた。契約が成立した場合のチーム名はまだ不明だが、『ボス』が使用されるという説もある。

 ヒューゴ・ボスは現在、アストンマーティンF1チームのオフィシャル・ファッション・パートナーを務めている。

ボスのブランドアンバサダーに就任したフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
ボスのブランドアンバサダーに就任したフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

 昨年、レッドブル社はアルファタウリチームの売却を検討したが、結局は残すことを決めた。しかし、存在意義を高めるため、レッドブル・レーシングとの連携を強化するとともに、アルファタウリチーム自体の経済的価値を向上させるための手段を検討。そのなかのひとつが、タイトルスポンサー契約、あるいはネーミングライツ販売だった。

 アルファタウリはチーム上層部の体制も大幅に変更され、現在のチーム代表フランツ・トストは今季末で退任、フェラーリでスポーティングディレクターを務めたローレン・メキースが後任を務めることが決定、元FIAエグゼクティブのピーター・バイエルがCEOとしてチームに加入した。

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