フェラーリF1代表「ルノーPUの性能はそれほど劣っていない」救済策適用に否定的
ルノーが自社のF1パワーユニット(PU)の性能が他車製より大幅に劣っているとして、救済措置の適用を求めていることについて、フェラーリF1チーム代表フレデリック・バスールは、適切な要求ではないとの見解を示した。
ベルギーGPの週末に開催されたF1コミッション会合において、議題のひとつとして、エンジンパフォーマンスの均等化について協議された。2022年から2025年まで、パワーユニットの開発は基本的に凍結されているが、マニュファクチャラー間の大きな性能差が長期間固定されることを避けるため、2023年からPUパフォーマンスの調整を行う可能性があるという点において関係者の合意がなされていた。FIAは、2023年前半においてPUパフォーマンスの分析を行ってきた結果、「競技者間にひとつの顕著な性能差があると結論付けた」という。これを受けて、F1コミッション会合で、このパフォーマンス差を修正するための方法について議論を行った。
その結果、パワーユニット・マニュファクチャラーは、パワーユニット諮問委員会に、委員会に提案を提出する権限を与えることに合意した。
ルノーエンジンは、他マニュファクチャラーのエンジンよりも30馬力劣っているといわれ、FIAはルノーを救済するための措置について検討する姿勢を見せている。しかしバスールは、そのような手段を実施する必要があるほど、ルノーのパワーユニットの性能が劣っているとは考えていない。
「エンジン開発を凍結すると決めた際に、例外的な状況において、完全に他から大きく外れている者がいればその支援を行う方法を見つけようと考えたことは事実だ。だが、ルノーがそこまで遠く離れているという確信を、私は持てない。ルノーと同じ数字を我々は持っていないのだ」
バスールは、性能の均衡化を行う場合、ルノーに追加で開発の機会を与えるという手段を採るべきであり、燃料流量の変更によりパフォーマンスを向上させることは許すべきではないと主張した。
「何かしなければならない場合でも、それは燃料流量に関するものであってはならない」とバスール。
「風洞でのテスト量に関して、同じアプローチを取っている。(コンストラクターズ選手権で)10位のチームは、風洞を他より多く使用できる。(重量を)10kg減らしていいということにはならない」
「従って、チーム、あるいはPUマニュファクチャラーに対して、(追加の)開発を許可するのであり、アドバンテージを与えるわけではない。アドバンテージを与えれば、それは“バランス・オブ・パフォーマンス”の始まりになると思う」
アルピーヌの暫定チーム代表の座に就いたばかりのブルーノ・ファミンは、「我々は、2021年から2022年の間に大きな進歩を遂げた。しかしまだベストのエンジンであるとは言えない」と述べた。
「FIAがこの話題を俎上にのせた。それは、エンジン開発凍結が決定された時に、ある種の合意がなされたからであると、私は理解している」
「ただ、エンジン、パワートレインが劣っているためにパッケージを改善することができないとは思っていない。目標は、シャシーとエンジンのパッケージ全体を向上させることだ。今はそれが少し難しいのは確かだ。それでも統合の改善は常に可能であり、我々はそこを目指している」
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