メルセデスF1、デグラデーションのアドバンテージは減少か。新フロアを投入したフェラーリの改善にも言及

 

 メルセデスは、フェラーリが最近の開発によって2023年型マシン『SF-23』に重くのしかかっていたタイヤのデグラデーション問題を軽減し、相対的なパフォーマンスの点でメルセデスと同等になることができたと考えている。

 メルセデスの絶対的なペースと、とりわけ『W14』のハンドリングは、今シーズンのドライバーたちの課題だが、直接のライバルたちと比べると、タイヤマネジメントはチームの主要な財産のひとつとなっている。しかし、特にフェラーリに対するそのアドバンテージは、フェラーリの進歩によってこの数戦で徐々に消えていったように見える。

 シンガポールGPでカルロス・サインツ(フェラーリ)は、レッドブルの途切れることのない覇権を崩すために、賢明な戦術に頼った。そして先週末の、より従来型のデグラデーションが激しい日本GPでは、レースでシャルル・ルクレール(フェラーリ)が4位でメルセデスの2台を上回り、サインツはルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルの間の6位でフィニッシュした。

 メルセデスのトラックサイドエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリンは、鈴鹿ではコースの路面と高い気温によって、全体的に通常よりもデグラデーションが進んだと指摘した。また、フェラーリの相対的なパフォーマンスをショブリンは見逃さなかった。

「部分的には温度が関係している。デグラデーションの一部は、タイヤがどんどん熱くなった最初の8周で起きた」とショブリンは説明した。

「予選でのパフォーマンス不足は、レースで犠牲になったことと同じだ。予選では、高速コーナーでパフォーマンスが少々低下していた。このコースでは高速コーナーでどれだけのグリップを得るかが重要だ。多くはダウンフォースが関係する。その点で我々は少し遅れていた」

「フェラーリはアップデート版のフロアを持ち込んでいたので、彼らは前進できたのかもしれない。最近のコースを見てみると、デグラデーションについての我々のアドバンテージは、シーズン序盤のレースほど顕著ではない」

シャルル・ルクレール&カルロス・サインツ(フェラーリ)
2023年F1第17戦日本GP シャルル・ルクレール&カルロス・サインツ(フェラーリ)

 鈴鹿ではレッドブルがコンストラクターズタイトルを獲得したが、それに次ぐメルセデスは、フェラーリに対して20ポイントのアドバンテージを保持している。しかしながらショブリンは、6レースが残るなかで、シーズン終盤における2チームは拮抗するだろうと考えている。

「不確定要素が多すぎて、どうなるか正確に把握することはできない」とショブリンはフェラーリのパフォーマンスレベルについて言及した。

「これからの数レースで、少しでもパフォーマンスを発揮するためにできることを検討している。接戦になると思うが、20ポイント差をつけられるよりも、20ポイント差をつける方がいい」

「基本的には、どれだけのパフォーマンスを発揮できるかどうかだ。最速のマシンが、残りの6戦で勝つだろう。だから我々は最速の2台になる必要がある」

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2023年F1第17戦日本GP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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