【お便りコーナー】第135回:夢見里 龍先生

 

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である夢見里 龍先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、夢見里 龍先生よりいただきました文面となります。

皆様、はじめまして、夢見里 龍(ゆめみし りゅう)と申します。
メディアワークス文庫より《死者殺しのメメント・モリア》を出版させていただいているものです。
この度は「小説家になろう」に連載しております「後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて華となす」の書籍化がきまり、メディアワークス文庫から刊行されることになりました。
お便りコーナーに応募させていただくのははじめてなので、とても緊張いたしております。小説家を目指す御方の参考になるようなことを――といっても、わたしはまだまだ暗中模索している身なのですが、だからこそ書けることを綴らせていただこうとおもいます。
 
私が小説家になりたいと夢をいだいたのはいつだったでしょう。
幼い頃から物語を空想するのが好きで、14歳の時にはじめて原稿をひとつ書きあげ、電撃小説大賞に投稿したのがはじまりだったとおもいます。結果は散々でしたが、その翌年に一次選考通過を果たし、もしかして小説の才能があるかもしれないなんて夢をみました。でも、そこから進むことはなく、一次選考通過と落選、時々二次選考通過あたりを繰りかえして「あ、才能はないんだな」と現実にかえりました。
それでも投稿を続け、約13年後に出版を果たしたのだから、どうやら「好きであり続ける才能」だけはあったようです。

「好きであり続ける才能」

これが小説家になるために最も重要なことだと、私は自身の経験からおもっています。

「好き」だから続けられる。「好き」だから努力できる。
だから「好き」ほど強いものはないとおもっています。
 
私は「殺し愛」が好きです。(某人気マンガではなく、そういう要素を含んだ関係のことです)
相反するものでありながら、それゆえにお互いの暗いところを理解しあい、時に殺意をむけつつ、惹かれていく――という関係がたまらなく刺さるのです。
この「殺し愛」という要素をふんだんに盛りこんだのが「後宮食医の薬膳帖」だったりします。もっともそれが打診をいただいた直接の理由ではないかもしれません。
ただ、好きなものを小説に組みこむと、どうすればそのニッチな要素を読者さまに楽しんでいただけるか、刺せるかと考えて、結果として小説の質があがるとおもっています。私が好きなものを、読者さまにも好きになってもらいたい。布教したい。だったら、好きな要素を最も映えさせるにはどうすればいいのか。

いま、ここを読んでおられるあなたさまは、なにが「好き」ですか?
「スーツをきたイケオジ」「格好よく銃を撃つメイドさん」「少女と少女のほんわかカップル」「人外との婚姻」etc.
それでは、その要素がなぜ、好きなのか。どこが好きなのか。
どうすれば、その要素の魅力を最大限に発揮できるのか。
それらを考え、言語にしていくことが、夢をかなえる第一歩かもしれないとおもっています。
 
これを読んでいる御方は「好きになる才能」をすでに御持ちのはずです。あとはその「好き」をどのように表現し、伝播させていくかだとおもいます。
私は小説を書く側でもありますが、読むのが好きで書きはじめた人間なので、根本は読者です。
なので、皆様の「好き」がたくさんつめこまれた素敵な小説が、続々と「小説家になろう」から出版され、本屋さんの棚にならぶことが私の喜びです。
もちろん、ここに集まっておられる御方は書籍化を目標とされている御方ばかりではないとおもいます。でも、書いた小説をどなたかに読んでもらいたい、自身の好きなものを読者さまにも好きになってほしい、という想いは一緒なのではないかと感じています。
皆様の夢がかないますことを、こころからお祈りいたしております。
 
もう一度だけ、宣伝をさせてください。

《後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて華となす》

後宮×ミステリ×薬学×グルメ×がんばるヒロイン×執着系イケメン×恋愛!
謎を解いて毒を解く! その後宮にはあらゆる毒を薬に変える食医の娘がいる!

メディアワークス文庫より7月24日刊行 

小説家になろう 投稿版はこちらです
https://ncode.syosetu.com/n9434hq/

公式サイト様の書籍版はこちらです
https://mwbunko.com/product/322212000644.html

すでに予約もはじまっています。
ご興味をもっていただけたら、ぜひとも御手に取っていただければ幸いでございます。
最後になりましたが、皆様の創作という終わりなき旅が光に満ちたものとなりますように。またどこか、旅の途上で御逢いできれば、嬉しいです。

                      夢見里 龍

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