F1とピレリがタイヤ供給契約の延長を発表。2027年まで独占タイヤサプライヤーを継続へ

 

 10月10日、F1世界選手権はピレリタイヤを2027年まで独占タイヤサプライヤーおよびグローバルタイヤパートナーに選出したことを発表した。契約は1年延長オプションとFIA F2、FIA F3へのタイヤ供給を含むものになる。

 2011年にF1単独タイヤサプライヤーとなったイタリアのピレリタイヤは、契約延長の可能性を含んでいるものの、2027年の契約終了時点でF1参戦18シーズン目を迎える。ピレリは2011年に13インチのハイデグラデーションタイヤ、車両規則が変更された2017年にはマシンに合わせたワイドタイヤ、そしてふたたび車両規則が一新された2022年には現行の18インチタイヤの導入など、F1マシンのレギュレーション変更などに対応してきたタイヤを供給し続けてきた。

 F1は今回の契約延長に対し、「ピレリは常にドライバー、チーム、FIA、そしてF1と積極的に関わり、優れたレースを可能にするタイヤを提供してきた」と公式サイトでコメント。F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは「2011年にF1に復帰して以来、ピレリはかけがえのないパートナーであり、新世代のテクノロジーとテクニカルレギュレーションを通じてF1をサポートし、ファンのために素晴らしいレースを可能にするタイヤを提供してきた」と述べている。

 今回の契約延長によりピレリは、F1が2030年までにネット・ゼロ・カーボンを達成することを目標にしているサスティナビリティ目標をサポートするための一環として、“サステイナブル・タイヤ・ソリューション”の研究開発に力を入れており、2024年からF1で使用されるすべてのタイヤは森林管理協議会(FSC)の認証を受ける予定になっている。

「品質、イノベーションに対するピレリの取り組み、そして我々のスポーツに対する深い知識は、2026年の新しい規制に近づく今後数年間で非常に重要になるだろう。FSC認証によって証明されているように、ピレリが持続可能性に関して重点的に取り組んでいることは、私たちが共有する2030年のネット・ゼロ目標に向けて協力し続けることを確実にしてくれるだろう」とドメニカリは続けた。

 そして、ピレリ副社長兼CEOのマルコ・トロンケッティ・プロベラは「F1とそれに関連する選手権におけるプレゼンス(存在感)を拡大できることを嬉しく思う」と語った。

「1950年にF1が誕生したときからピレリは存在していたが、今回の契約延長によって、20年近くにおよぶ現代F1の時代を通し、ピレリは主人公であり続けることになる。リバティ・メディアのプロモーションとFIAの支援により、このスポーツは観客数と世界的な拡大の両面で驚異的な成長期を迎えており、若い世代からの支持も増えている」

「イノベーションとテクノロジーはピレリのDNAに組み込まれているものだ。F1は新しい技術的ソリューションを試し、テストするだけでなく、タイヤ製造における新鮮な研究、開発、生産プロセスを加速させるための究極の野外実験室だ。来年からF1タイヤに導入されるFSC認証が証明しているように、私たちのサステイナビリティへのコミットメントも同様に強い。少なくとも2027年までモータースポーツの頂点に立ち続けることは、わが社にもうひとつの重要な価値を付加することになる」

 また、FIA国際自動車会長であるモハメド・ビン・スライエムも「ピレリは長年にわたりモータースポーツのトップレベルで活動しており、今後も世界の舞台で革新と卓越性を発揮してくれるものと確信している」とコメントを寄せた。

「F1はタイヤサプライヤーにとってユニークな挑戦であり、ピレリはこのような素晴らしいマシンの過酷な要求に応えるタイヤを製造することに大きなコミットメントを示してきた。ピレリがF1だけでなく、多くの選手権やカテゴリーでモータースポーツを支え続けてくれていることに感謝したい。ピレリは、パフォーマンスとサステイナビリティの両面でさらなる進歩を遂げるために、今後数年間も努力を続けていくだろう」

 さらにF1は、タイヤ供給入札を行ったとされている日本のブリヂストンにも感謝の言葉を公式サイトに掲載している。

「ブリヂストンの素晴らしい提案と、プロセス全体を通しての関与についてを称賛する。ブリヂストンは、我々のスポーツ界において誇り高きレガシーを持っており、高い専門性と情熱を持って我々と関わってくれたことに感謝したい」

ピレリのF1ウエットタイヤ
ピレリのF1ウエットタイヤ

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