ハミルトンの危険なコース横断について、FIAが再調査へ「ロールモデルとして、若手に与える影響が大きい」/F1第18戦
FIAは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が、F1カタールGP決勝で、レースが実施中のコースを横断した件について、改めて調査を行っていることを明らかにした。レース直後、スチュワードはハミルトンに対して戒告および50000ユーロ/約780万円(その半額はシーズン末まで執行猶予)という罰を科した。
決勝スタート直後にチームメイトのジョージ・ラッセルと接触して、ハミルトンのマシンはグラベルへと弾き飛ばされ、停止した。マシンから降りたハミルトンは、セーフティカー下でのレース中に、コースを横断し、トラックの内側に到達、その後、トラックに沿って歩き続けた後に、トラックから出て行った。スチュワードは、ハミルトンがコースを横断する直後に、ラッセルがピットからコースに復帰して高速で通過したと述べている。
ドライバーは、走行が行われている際にコースを横断する場合、マーシャルから許可を得る必要がある。
この行為が審議扱いとなり、ハミルトンは聴聞会に出席、スチュワードによると、ハミルトンは、自分の行為が自分自身にとっても他のドライバーにとっても非常に危険な状況につながる可能性があったことを理解し、非常に謝罪的な態度を示したということだ。
審議を行ったスチュワードは、ハミルトンに対して戒告(ドライビング以外)および、50000ユーロ(約780万円)の罰金を科し、そのうち25000ユーロ(約390万円)は、2023年シーズンの最後まで、同様の違反を犯さないことを条件に執行猶予とするという判決を下した。
しかしそれから約1週間後、FIAはハミルトンの行為について再調査を行うことを明らかにした。
「FIAは、ルイス・ハミルトンがカタールGP中、走行が行われているトラックを横断した件について、再度調査を行っている」とFIAのスポークスパーソンは述べた。
「FIAは、後に行われた、このインシデントに関するスチュワードのヒアリングにおいて、ルイスが謝罪的であり、コース横断は安全上の重大な違反であると認めたことを認識している。しかしながら、彼がロールモデルという立場であることを考慮し、彼の行動が若いドライバーたちに与えた可能性がある印象について、FIAは懸念している」
最近、イタリアのフランチャコルタで行われた世界カート選手権で、ジョー・ターニーが接触によってコースオフした後、カートをコースに押し戻し、他の選手に衝突されるという事故が発生した。ターニーは足に重傷を負った。
FIAは、ハミルトンへの罰を変更することは望んでいないものの、今回の罰が今後の前例として使用されることに懸念を抱いているといわれる。
一方、FIAが再調査の理由として、ハミルトンがロールモデルという立場にあるドライバーであることを挙げたことについては、批判もなされている。すべてのドライバーの行為を平等に評価するのではなく、一部ドライバーをより厳しく罰するのは不適切であるためだ。
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