【F1メキシコシティGPの展望】一発とロングランの両方で存在感を示したノリス。中団勢ではリカルドが安定した走りを披露
F1第20戦メキシコシティGP初日フリー走行は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2回のセッションのいずれもトップタイムだった。ただし2番手以下とのタイム差は、11番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)までがコンマ5秒、16番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)でも1秒以内と、かなり接近していた。
平地より20%空気が薄い環境下では、ブレーキングで簡単にタイヤがロックしてしまう。3セクターすべてで自己ベストを刻むのはかなり難しく、予選でのわずかなミスが大きく順位を左右することになりそうだ。
普通に考えれば、盤石の安定感を誇るフェルスタッペンがポールシッター最右翼だろう。一方でフェラーリやメルセデスを押しのけ、0.119秒差で2番手につけたランド・ノリス(マクラーレン)も存在感を見せた。
中高速コーナーがほとんどないこのサーキットは、マクラーレンには不利と見られていた。実際オスカー・ピアストリは、メキシコ初体験だったこともあるが、フェルスタッペンから約コンマ5秒落ちの9番手に留まっている。それに対しノリスはフェルスタッペンから0.119秒落ちの2番手タイムを出すと、そのまま8周のロングランに移行。1分21秒台中盤の安定したタイムを刻んだ。
さらにミディアムタイヤの14周のロングランも、1分22秒中盤〜23秒前半のペース。ほぼ同じタイミングで、12周を同じくミディアムで走ったフェルスタッペンとほぼ互角の速さを見せた。「予選はかなりの接戦になると思うけど、決勝レースはまた別の話だ」と、ロングランに自信を覗かせていたフェルスタッペンだが、ノリスが確実な脅威になるのではないか。
中団グループも超接戦の状況だが、そんななか精彩を放っていたのがダニエル・リカルド(アルファタウリ)だった。FP1で8番手につけると、FP2はフェルスタッペンからコンマ3秒落ちの6番手まで順位を上げた。そこからハードのロングランに移行すると、1分23秒台後半〜24秒台前半のペースで周回を続けた。
アルファロメオのバルテリ・ボッタスが、一発の速さでは0.047秒リカルドを凌いで4番手につけたものの、ロングランペースははるかに劣る。路面グリップが低く、空力効率の悪いこのサーキットで、メカニカルグリップに優れるアルファタウリのマシンが強みを発揮した。予選Q3に進んで、復帰後初ポイントを獲得する可能性は高そうだ。
一方、角田裕毅(アルファタウリ)は5基目のパワーユニット(PU)投入で、最後尾グリッド(あるいはピットからの)レーススタートとなる。とはいえリカルドの速さを見る限り、9月のシンガポールGPで投入した大幅アップデートの効果は確実に出ているようだ。決勝レースでの追い上げに、期待したい。
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