「忘れてしまいたい」とハミルトン。何かを間違ったメルセデス、「許し難いパフォーマンス」に言葉を失う/F1第21戦
2023年F1サンパウロGP(ブラジルGP)決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは8位、ジョージ・ラッセルはリタイアに終わった。
ハミルトンは好スタートを決め、後方で多重クラッシュが起きたことによる赤旗レース中断をはさんで、3番手からリスタート。しかし、すぐにフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に抜かれ、ペースが落ち続け、18周目にソフトからミディアムにタイヤを交換した。ミディアムでもハミルトンのペースは良くなく、ランス・ストロール(アストンマーティン)、カルロス・サインツ(フェラーリ)に抜かれた後、46周目からの最終スティントにソフトを選択。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)にオーバーテイクされ、彼についていくこともできず、後ろから角田裕毅(アルファタウリ)がギャップを縮めてくるなかで、ハミルトンはなんとか8位を守り切った。
ラッセルは、長時間、ハミルトンのすぐ後ろを走り続け、不満を示していたが、その後、パワーユニットの温度上昇に対処しなければならず、最終的にはリタイアという結果に終わった。
チーム代表トト・ウォルフは、「今日のパフォーマンスはひどかった」と振り返った。
「先週末、メキシコで表彰台を獲得した同じマシンなのに、ここでは何をしてもうまく機能しなかった。通常我々はスプリントの週末を得意とはしていない。だがそれは、今回これほど困難だった理由にはならない」
「ルイスは何とか生き残って8位を獲得した。ジョージはリタイアしなければならなかった。今日、これほど難しいマシンに乗らなければならなかった彼らには同情するしかない。常に非常に不安定なマシンだ。来年に向けてしっかりとした開発を行う必要がある。さらに、残り2戦でもプッシュして挽回することを目指す」
ウォルフ代表は、『Sky Sports F1』のインタビューにおいて、「許しがたいパフォーマンスだ。言葉もない。あれほど悲惨なマシンに乗っているふたりには同情しかない」とも語っている。
トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、「セットアップにかなり間違った部分があったのは明らかだ」として、間違っていた点について理解し、修正すると述べた。
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=8位(71周/71周)
5番グリッド/タイヤ:ソフト→ソフト→ミディアム→ソフト
自分の能力を最大限に発揮して、タイヤの管理を行ったという点に関しては、昨日(のスプリント)よりは良いレースをしたと感じる。今週末なぜこれほど苦しんだのか、説明するのは難しい。このマシンは、うまく機能する瞬間と、そうでない瞬間があるんだ。1ラップのなかでもとても不安定だ。これを解決する必要があるだろう。
今日はストレートで遅く、コーナーではスライドしていた。難しかったよ。
違う方法をとるべきだった点を見つけ出すつもりだ。忘れてしまいたい一日だけど、ここからたくさんのことを学習できればと思っている。
チームメンバー全員のことを心から誇りに思っている。彼らは今も困難な状況にくじけることなく、全力で作業に当たっている。それこそがこれからも続けていかなければならないことだ。引き続き、改善を目指して努力していく。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=リタイア(57周/71周)
8番グリッド/タイヤ:ソフト→ソフト→ミディアム→ソフト
今週末、僕たちは、明らかに何かかなり間違った行動を取ったのだと思う。今のところ、それが何なのか分からない。でも単純にペースがなかった。表彰台に値するマシンが、突然トップから1秒も遅いマシンになることは絶対にないので、本当に奇妙な出来事だ。
昨日の段階では、一度限りのことかもしれないと思ったけれど、そうではなかった。タイヤが常にスライドしている状態で、今日のパフォーマンスが現状のマシンで可能な最大限のものだった。
終盤、パワーユニットの油温が上がってしまい、リタイアすることになった。大変な一日の締めくくりがそれだった。
シーズン最後の2戦に向かう前にこの問題を解決するため、ファクトリーに戻り、態勢を立て直して、今回やったことを見直すつもりだ。
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