アストンマーチン、イギリスGPに今季2度目のアップグレード投入「我々は中団トップに立たなければいけない」

 

 アストンマーチンは、イギリスGPの大規模のアップグレードパーツを投入する予定であることを明かした。これはスペインGPに続き今シーズン2度目のアップグレードということになる。
 アストンマーチンは今季開幕から厳しい戦いを強いられ、なかなかポイントを獲得できなかった。初入賞は第4戦エミリア・ロマーニャGP。そして第6戦スペインGPには大規模なアップデートを行ない、サイドポンツーンの形状が大きく変更。レッドブルの今季マシンRB18を彷彿させるデザインとなった。
 このアップグレードが投入されて以降、チームのパフォーマンスは向上しており、アゼルバイジャンGPではセバスチャン・ベッテルが6位入賞を果たした。
 ただアストンマーチンのチーム代表であるマイク・クラックによれば、スペインGPで投入したアップグレードにも弱点があるという。その弱点に対処すべく、イギリスGPに向けて第2弾のアップグレードが用意されているという。
「我々はスペインGPに向けてアップグレードを行なった。しかしそのスペインGPではペースが足りなかったのは明白で、それをみなさんも思い出すだろう。マシンは変わっていないのだ」
 そうクラック代表は語る。
「我々は確かに、優れたマシンの構成を持っている。しかしバルセロナのようなコースよりも、競争力をもう少し高めるのに役立つコースが3戦続いたんだ」
「地に足をつけておく必要がある。そして今後のコースのために、アップグレードを投入する必要があることを知っている。それが、今回投入することを選んだ理由でもある」
「シルバーストンでは、誰もがアップグレードを行なうことが分かっている。そこで競争力を維持するためには、マシンを前進させなければいけないんだ」
 スペインGPの舞台であるカタルニア・サーキットとの類似点を考え、イギリスGPの舞台であるシルバーストン・サーキットでの可能性を尋ねられたクラック代表は、次のように語った。
「先ほども言ったように、我々はアップグレードを投入する予定だ。それは、他のチームがどれだけ改善するかということと比較して、我々がどれだけ改善できるかということにかかっている」
「我々は計画に向けて仕事を進めてきて、少し大きめの(改良版)パッケージと細かいパッケージを用意してきた。そして、今後どんなレースが予定されているのかということに応じて、バルセロナでのマシンの弱点も特定してきたんだ」
 アストンマーチンがスペインGPに持ち込んだ新しいパッケージは、新車発表会の際に公開されたパッケージと並行して開発されていたものだ。そしてこの新しいパッケージによって、セットアップの幅が広がったという。これにより、ランキング下位に沈んでいたチームが、今ではQ3を争えるポジションまで浮上しつつある。
「中団グループの戦いがどれだけ僅差なのかということを見極める必要がある。多くのポジションを上げるためには、大きな一歩を踏み出す必要はないのだ」
 そうクラック代表は語る。
「これは以前とは少し異なっている。我々が低いポジションにいた時には、マシンの間には大きな差があった。でもバクーのFP3では、5番手と15番手の間の差は0.4秒くらい(実際には0.501秒差)だった」
「その先頭に立つことができれば、獲得できるポイントは、0.2秒とか0.3秒遅い場合よりもはるかに多くなるだろう」
「だからこそ、我々は新しいマシンを見てみようなどと言うだけで終わらせるわけにはいかないのだ。中団グループのトップに立つ必要がある。そうすれば、ポイントを争うのが楽になるからね。今年の最初のポジションのまま、1年を終わらせることなんてできないからね」
 
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