【角田裕毅F1第11戦密着】予定通りの準備で予選を迎えるも、Q3進出を逃す「タイヤが冷えたままアタックに入った」
第4戦エミリア・ロマーニャGP以来、7戦ぶりにスプリントが開催される第11戦オーストリアGPでは、公式予選は土曜日ではなく、金曜日に行われる。
したがって、予選へ向けた準備はフリー走行1回目の1セッションだけだ。この60分間のフリー走行で、角田裕毅(アルファタウリ)は、順調に周回をこなしていた。ミディアムタイヤを2セット、ソフトタイヤを1セット、合計3セットのニュータイヤを履いて、10番手のタイムを刻んでいた。フリー走行から積極的にニュータイヤを投入したことについて、角田は「予定通りのことで、うまくやれていたと思います」と、予選に向けて手応えをつかんでいた。
角田とチームの積極的な戦略は、予選に入っても変わらなかった。Q1で角田はソフトタイヤの新品を3セット投入。オーストリアGPが行われるレッドブルリンクは1周が短いため、ラップタイム差が開きにくく、新品タイヤのゲインによる順位変動が大きい。残り3分の段階で17番手までポジションを落としていた角田が12番手までポジションを上げたのは、3セット目の新品のソフトタイヤでのアタックだった。
これでQ1を突破した角田はQ2に入ると一転、1回目のアタックはユーズドタイヤでコースイン。土日のことを考えると、もう積極的にソフトタイヤを使用できないからだ。ユーズドタイヤでの1回目のアタックを終えて、トップ10圏外に終わった角田。それでも、角田は1セットだけの新品のソフトタイヤでQ2を突破できると考えていた。
残り3分を切って、Q2の最後のアタックに出た角田のマシンには新品のソフトタイヤが装着されていた。しかし、アタックラップの1コーナーでバランスを崩して、コースオフ。角田はアタックをやめてしまう。結果は14番手。
「残念ながらQ2での最後のアタックで、タイヤが冷えたままタイムアタックに入り、1コーナーで大きくスナップ(オーバーステア)が出てしまい、アタックが台無しになってしまいました。クルマのペースはとてもよかったので、今日はQ3進出のチャンスもあっただけに、本当に残念です」
予選は14番手に終わったが、結果以上にポテンシャルを感じさせたオーストリアGPの初日の角田だった。
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