火災が起きたサインツ車の対応について、レッドブルリンクのマーシャルが声明を発表。消火の手順は正しかったと主張
F1第11戦オーストリアGPの決勝レースにおいて、火災の起きたカルロス・サインツ(フェラーリ)のマシンへの到着が遅かったという批判を受けたレッドブルリンクのマーシャルは、声明を発表した。
オーストリアGPの決勝レース後半、サインツはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追って2番手を争っていたが、残り16周のところで壊滅的なエンジントラブルが発生した。サインツはターン4でマシンをコース外に寄せて停車せざるを得なかったが、マシン後部から炎が上がっていても、ブレーキを踏み続けている必要があったため、コクピットから出ることができなかった。
ブレーキを踏んでいないと、マシンが斜面を後退して後続車の進路に入ってしまうことをサインツは恐れていた。ホイールを止めるブロックを持ったマーシャルがようやく到着して、サインツはマシンから飛び降りることができた。
当時、マーシャルが到着するまで炎を上げるマシンに長時間座っていなければならなかったサインツは、明らかに不満を抱いていた。
「マーシャルを呼んで助けを求めた。マシンが動かないようにタイヤを固定するものが必要だった。でも全体的に作業が少し遅かったと思う」と当日サインツは語った。
「ある時点で炎があまりに強くなったから、僕は自分でコクピットを出て飛び降りなければならなかった。ひとり目のマーシャルが到着してマシンを止めたのは、その時だったと思う」
サーキットの公式安全クルーは声明を発表し、対応が遅く見えた理由について説明。すべての手順は適切にとられたと述べた。
「2014年に起きたジュール・ビアンキの恐ろしい事故以来、コース上でのリカバリーと介入に関するFIAのルールは大幅に強化された。介入はレースコントロールからの指示があって初めて許可される。これによりドライバーとマーシャルの安全性が自然に高まる一方で、介入に多少時間がかかるという欠点も生じている」
「いくつかの残念な状況が一度に起きた。サインツがフェラーリを止めた場所は、マーシャルスタンドから見えないところだった。消火器を持ってマシンのところへ行くように無線で指示が出されたが、状況を見たマーシャルは、消防車を呼ぶことにした」
「この決定は数秒以内に下されなければならず、振り返ってみれば完全に正しいものだった。(2020年のバーレーンでの)グロージャンの事故を思い返すと、あのような状況では手持ちの消火器はまったく十分ではない。したがって消火器の使用は取りやめられ、マシンはそのままにされた。残念ながらテレビではマーシャルが“逃げている”かのような映像が映し出されてしまった」
「もうひとつの問題は、当然ながら車内で不安を感じたサインツが、ブレーキを早く離しすぎたことにあった。動いている車体に輪止めをかけなければならなかったため、当然ながらすべての作業が非常に難しくなった」
「消防車は30秒以内に現場に到着しており、急速に広がる炎を制御できただろう。グロージャンの事故以来、ドライバーを最善の方法で保護するために、多くの『消火力』をただちに現場に届けることが我々にとって非常に重要だ。もう1台の緊急車両がすでに待機しており、3台目が向かっているところだった。サインツが自力でマシンから避難しなかったとしても、我々は可能な限り最善の方法で彼を守ることができただろう」
「輪止めの抵抗によって、マシンはガードレールの方へ進んで止まった。その後、消火器を数回発射することで炎を消し止めることができた」
それでも、マーシャルが認めているように、この事故はテレビでよい見え方はしなかった。
「当然ながら、今になってテレビ映像やコースのカメラの記録を見返して見れば、改善が必要な点は見つかるだろう。我々はスタッフとともに内部でこの件について議論を行う予定だ」
「我々はこのインシデントをさらに改善するための機会として捉えるだろう。我々にとって火災は日常的に起きるものではないので、これは例外的な状況だったが、全体的にマーシャルはうまく対処した」
「我々はモータースポーツの愛好家のチームであり、このようなコース上での事故の際に安全面でベストを尽くすために、それぞれの自由時間をトレーニングと演習に捧げている」
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