ついに実車が登場……デロリアン『アルファ5』が一般公開。2024年に88台が限定発売

 

 5月に初めてデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)が、ガルウイングドアを持つ4人乗りEV『アルファ5』のイメージ画像を公開した際、懐疑的な見方があったのは確かだ。
「8月のペブルビーチで、デロリアンは本当に実車で復活を遂げるのだろうか?」
 その答えは、イエスだ。
 デロリアンは、8月19日(金)に象徴的な自動車イベントであるペブルビーチ・コンクール・デレガンスで一般公開を開始。プレスリリースリリースを発表し、ソーシャルメディアには実車の写真を掲載した。
 
 アルファ5がもちろん主役クラスの1台ではあるが、デロリアンは自動車業界でちょっとした論争を巻き起こした他の3つのコンセプトモデルも展示していた。
『アルファ2』は映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でデロリアンの名を世界に知らしめた”実車の”『DMC-12』の後継車とも言えるスポーツモデル。『アルファ3』はサイズ感のある高級セダンで、『アルファ4』は水素燃料電池のSUVという設定だ。
 そう、アルファ5へ繋がるこの3台は”ジェネレーション・コンセプト”として、映画よろしく「もしデロリアンが倒産していなかったら」という仮想の時間軸における先達として提示されたモノだ。
 DMC-12のレストアやパーツ調達などを行なう”新生”デロリアンのCEOを務めるヨースト・デ・フリーズは、発見されたDMCのアーカイブを元に「過去40年間のカーデザイン」をブレンドして、これらのコンセプトを制作したと述べている。ただ、現時点でレンダリング画像以上の開発計画があるかどうかは不明だ。
 因みに本家デロリアンは、GMの副社長を務めたジョン・デロリアンによって1975年に設立。カーデザイナーの大家であるイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロによって生み出されたDMC-12と映画により一躍スターダムを駆け上がったが、そのコスト高騰などにより1982年に倒産と相成っている。

 現在のDMCは本家とは直接的な繋がりはないが、新たに発表されたアルファ5もDMC-12と同じくイタルデザインとの共同制作だ。
 超大型のガルウイングドアを備えるアルファ5は全輪駆動の4シーターで、0-60mph(0-96km/h)加速は2.99秒。最高時速は155mph(249km/h)という性能を持つとデロリアンは主張している。 
 100kWバッテリーを使用した場合、航続距離は300マイル(482km)とされている。モーターの数や配置などの詳細は明かされていないが、恐らくタイムマシンとしての機能はないだろう。
 価格も不明であるが、デロリアンの当初の発表ではアルファ5は88台のみの少数生産とされていることから、決して安くはならないはずだ。発売は2024年を予定している。
 因みに、この88という数字は、バック・トゥー・ザ・フューチャーに登場したタイムマシンのDMC-12が時空を越える際の速度が88mph(141km/h)だったことに由来している。
 このアルファ5は8月19日からペブルビーチで一般公開された後、8月21日(日)に予定されているコンセプトカー・ローンでも展示予定となっている。
 
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