絶好調バニャイヤ、逃げ切って3連勝! クアルタラロ2位でタイトル争い優位に|MotoGPオーストリア決勝
レッドブルリンクでMotoGP第13戦オーストリアGPの決勝レースが行なわれた。優勝はドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤで、3連勝となった。
ターン2にシケインが設けられた新レイアウトで開催された2022年のオーストリアGP。予選ではエネア・バスティアニーニ(グレシーニ)がファクトリードゥカティ勢を破りポールポジションを獲得した。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は僅差でQ1敗退となり、14番手スタートだ。
天候の崩れることも心配されたオーストリアGPだが、上空は厚い雲に覆われつつも決勝レースを通してドライコンディションが保たれた。気温は20℃、路面温度は23℃というコンディションだ。
28周のレースが始まると、2番グリッドのバニャイヤが好加速を決めてホールショットを奪う。バスティアニーニ、ジャック・ミラー(ドゥカティ)とフロントロウスタートのライダーがそれを追いかけていった。
なおオープニングラップのターン5で早くも転倒者が発生。ジョアン・ミル(スズキ)がここで戦線を離れた。
先頭集団は2周目の時点でバニャイヤ、バスティアニーニ、ミラー、ホルヘ・マルティン(プラマック)の4人。5番手のマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が1秒差でそれを追いかけていく。
トップ集団内ではバスティアニーニとマルティンの3番手争いとなり、それを尻目に先頭のバニャイヤと2番手のミラーが逃げていく展開となった。
5周目、5番手を走っていたビニャーレスがワイドに膨らむシーンがあり、ポジションを8番手まで後退。そして5番手となったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は、前方でバトルをしていたバスティアニーニを手早く攻略し、4番手に浮上した。
バスティアニーニはその後ターン4で減速しきることができずにオーバーラン。最後尾まで大きくポジションを落とした。レースに復帰はしたものの、トラブルがあったかピットに戻りリタイアとなった。
先頭争いに目を戻すと、バニャイヤを射程圏内で追うミラーがオーバーテイクのチャンスを伺うが、なかなか仕掛けきれない。そうした中、3番手のマルティンが差を縮め、10周目には先頭2台にほぼ追いつきつつあった。
11周目、17番手を走行していた中上がクラッシュ。コースに復帰はできず、ここでリタイアとなってしまった。
トップのバニャイヤは、一度ミラーからのプレッシャーが和らいだ後、ペースを加速。ミラーとの差が0.7秒ほどまで広げるなど若干だが逃げ始めていた。
レース折り返しを過ぎた15周目になると、4番手のクアルタラロが追い上げ始め、3番手のマルティンの0.5秒後方にまで接近してきた。そして17周目、マルティンがシケインで膨らんだこともありクアルタラロが表彰台圏内の3番手に浮上した。
3番手となったクアルタラロは、2番手のミラーにも仕掛けるべく、1周ごとに少しずつギャップを削る。残り5周となった頃にはコンマ2~3秒とミラーを射程に収めた。
そしてクアルタラロは残り4周のシケイン出口のイン側からミラーを抜き去り、2番手に浮上。ミラーは反撃することができなかった。
クアルタラロは少しずつ先頭のバニャイヤとの差を詰めたものの、既に残り周回数も少なくなっていたため、その牙は届かずに終了。レースはバニャイヤが3連勝となり、2位にクアルタラロが続いた。3位はミラーだ。なお3位を争っていたマルティンは、最終ラップのターン1のイン側からミラーに追い抜きをしかけるも、転倒を喫してしまい10位でレースを終えた。
ライダーズランキングでは、クアルタラロが2番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア/レース6位)に対する差を32ポイントまで拡大。3番手のバニャイヤとは44ポイント差だ。
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