フレッチェ・トリコローリのパフォーマンス実施を批判したベッテル。F1イタリアGP主催者は「非礼」と反論
モンツァでのF1イタリアGPのレース直前にイタリア空軍のアクロバット部隊によるフライバイが行われたことを、4度の世界チャンピオンであるアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルが激しく批判したことについて、F1イタリアGP主催者であるイタリア自動車クラブ(ACI)ミラノ支部が反論した。
サステナビリティを追求する熱心な運動家となっているベッテルは、その批判のほとんどを、日曜日のレース開始2時間ほど前に珍しくモンツァに姿を見せたイタリア大統領セルジョ・マッタレッラに向けた。マッタレッラは、過去に何度も行われたように、レース開始15分前の国歌斉唱の後に曲芸飛行隊フレッチェ・トリコローリがパフォーマンスをすべきだと主張した人々のうちのひとりだったようだ。ACIのミラノ支部はベッテルが「礼を欠いている」と非難し、「不毛な論争をけしかけている」としたうえで、「マッタレッラ大統領と全イタリア国民に謝罪する」ことを促した。
決勝レースを早い段階でリタイアした後、モンツァがカレンダーに残ることを望むか尋ねられたベッテルは、同コースがF1に残ることができるよう擁護しながらも、話の矛先をレース直前のフライバイのパフォーマンスに向けた。
「大統領がフライバイをやることを主張したと聞いている。彼は100歳くらいだろう。こうしたエゴを抑えるのが難しいのかもしれないね。でもこのコースはカレンダーに残るべきだと思うよ。素晴らしいサーキットだし、雰囲気も最高だ」
「フライバイはやらないことになっていた。でも大統領は考えを変えずにいられず、F1は屈服したようだ。委員会がコース周辺の気候変動対策と、世界をよりよい場所にするための明確なゴールを推進していたにもかかわらずね。F1は影響を受けないようにする必要がある。目標があるのなら、他の国々のようにはやらず、目標を達成していないという事実を軽視してはいけない。自分の発言を貫くべきだ」
レース後の月曜日、グランプリ主催者はベッテルの発言に反論し、次のように述べた。
「私は常に大統領に耳を傾けるように教えられてきた。特にあなたが外国で訪問者の立場にいるのなら、大統領に意見することはできない」とACIミラノ支部の会長のジェロニモ・ラ・ルッサは述べた。
「フレッチェ・トリコローリによるフライバイを、イタリア人は誇りに思っている。モンツァで彼らは非常に勇壮な姿を披露し、我々は盛んに拍手を送った。家でショーを観ていた人々もそうだっただろう。だから元世界チャンピオンである上に、初めてのグランプリレース(での優勝)をここモンツァで経験した人物によるこのような非礼は残念でならない」
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