レッドブルとアストンマーチンが2021年予算上限に違反。今後の動きはどうなるのか?

 

 FIAは、レッドブル、アストンマーチン、ウイリアムズの3チームが2021年シーズンにファイナンシャルレギュレーションに違反していたことを明らかにした。3チームはいずれも手続き上の違反があったとされたが、レッドブルのみ”軽微な予算超過”があったという。
 レッドブルはこの発表に反発。「驚きと失望をもって受け止めている」と声明を発表している。
 ただこの予算制限に関する監査のプロセスは、これで全てが終わったわけではない。今後、違反を犯した各チームにどんな裁定が下るのか。それ次第で、より大きなうねりとなり、F1界を大きく震撼させることになるかもしれない。
 F1のファイナンシャル・レギュレーションに記載されているところで言えば、今回違反を犯したチームに何らかの罰則が科されるのは必至であると考えられる。
 ウイリアムズは、報告書を期日までに提出できなかったとして、すでに今年6月の時点で罰金が言い渡されている。そしてアストンマーチンが犯した”手続き上の違反”と、レッドブルが犯した”軽微な支出超過”は、全く異なる制裁が加えられるはずだ。
 予算制限管理局はまず、アストンマーチンとレッドブルに”アクセプテッド・ブリーチ・アグリーメント(ABA/協定違反の受け入れ)”と呼ばれる協定を締結するかどうかを提示する。
 このABAに締結するためには、チームは規則違反を犯したことを認め、科される制裁を受け入れてそれを遵守することと、かかる費用を負担することを受け入れ、さらに今回の裁定に異議を申し立てる権利を放棄することが求められる。
 このABAが締結されると、チームには履行もしくは満たすべき義務や条件が設定され、財務監視体制が強化され、罰金もしくは軽微な競技上のペナルティが科され、さらにチームが負担する金額が設定される。
 ただABAで決定することができる”軽微な競技上のペナルティ”は、”公の叱責”、”レースを除く、1つまたは複数の競技会(グランプリ)におけるひとつまたは複数のステージ(セッション)への出場停止”、”空力またはそのほかのテストを実施する能力の制限”のみである。つまり、コンストラクターズポイントやドライバーズポイントの剥奪、そして予算上限額のさらなる引き下げについては対象外となっているため、ABAを受け入れた方が有利だという見方もある。
 もしこのABAを受け入れなかった場合、もしくはFIAがABAを締結するのが相応しくないと判断した場合には、コストキャップ裁定パネル(CCA)の公聴会が開催されるこのになる。
 このCCAは、FIAの総会で選出された6〜12人の裁定員によって構成され、チーム代表や問題に関連する承認を招集し、事件の詳細について聞き取りを行う。そしてこの聴聞会が行なわれた後、裁定員の多数決で有罪か無罪かが決定される。多数決で決まらない場合には、公聴会議長が決定票を投じることになる。
 この結果に応じて、裁定員は規則に記載されている制裁のいずれかを当該チームに科すことになる。
 なおチームは、CCAの裁定結果について、FIAの国際控訴裁判所にさらに上訴するすることもできる。
 このファイナンシャル・レギュレーションは、違反したチームに対して科される制裁を明確に規定している。
 報告書提出の遅れ、CCAへの協力の欠落、または不正確な情報を提供する……これらについてはレギュレーションで、金銭的なペナルティが科されると規定されている。
 それ以上の措置を講じないために緩和要因が存在する場合、あるいはより悪化する要因が存在する場合には、金銭的ペナルティの代わり、もしくは追加で”軽微な”競技上のペナルティを科すこともできる。
 レッドブルのように5%未満の支出超過に関しては、金銭的ペナルティまたは軽度な競技上のペナルティを科すことができる。
 軽微な競技上のペナルティとしては、下記の6つが用意されている。
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