F1日本GPのインシデント報告書で「無謀な走りをした」と判断されたガスリー。今後に向けた解決策には満足

 

 アルファタウリのピエール・ガスリーは、金曜日にFIAが発表したF1第18戦日本GPのクレーン車のインシデント報告書のなかで「無謀」と指摘されたが、彼はそのことよりも、将来に向けFIAが安全性の改善のために講じた、具体的な措置の方により関心を抱いた。

 日本GPの決勝レースのスタート直後、カルロス・サインツ(フェラーリ)のクラッシュによりセーフティカー(SC)が出動した。だがSCの後ろに車列ができている時に、サインツの損壊したマシンを引き上げるための回収車両がコースに送られ、ガスリーはその瞬間だけでなく、レース後にも鈴鹿で声を上げ、激しく批判した。

 ガスリー自身は、サインツのクラッシュによりコース上に落ちた広告パネルがマシンに引っかかったため、1周目の終わりにピットインを行った。そしてSCの車列に追いつこうと走行していた時、サインツのクラッシュ現場を通りかかったが、予想外なことにふたりのマーシャルとトラクタークレーンがレーシングラインで作業をしているのに遭遇したのだ。

 ガスリーは推奨されている速度まで減速してその場を通過したが、それでもFIAは「旗を尊重せず、基本的な安全規則を無視して無謀な方法で走行した」とみなした。しかしガスリーはこれを一蹴し、将来的にドライバーの安全性を向上させるという観点から、FIAがこの問題にどのように対処するのかに興味があると主張した。

2022年F1第18戦日本GP決勝 カルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュし、リタイア
2022年F1第18戦日本GP決勝 カルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュし、リタイア
2022年F1第18戦日本GP カルロス・サインツ(フェラーリ)のクラッシュで落ちた広告パネルを引きずるピエール・ガスリー(アルファタウリ)

 報告書のなかでFIAは、回収車両の導入タイミングが適切でなかったことを認め、将来的に車両がコース上に入る際のドライバーの安全確保と、ドライバーが車両を認識できるようにするための一連の運用及びコミュニケーションの手段を列挙した。

「僕が最も関心を持っていたのは、彼らが将来に向けてどう対応するかということだった」とガスリーは語った。

「それが僕がモハメド(・ビン・スライエム)と鈴鹿のレース後に話し合ったことだ。そこで何が起きたのかということをね」

「一番重要なのは、F1であろうが下位カテゴリーであろうが、誰もが安全を確保できるように前進することだ。そしてそれが彼らが取り組んでいることだ。彼らが取り入れたことは明らかにいい進歩だと思う。ドライバーズブリーフィングで議論することになるのは分かっている。他にもできることがあれば何でも歓迎だ」

「でも彼らがとても迅速にこの件に対処してくれ、その直後のレースですでに解決策を考え出してくれたことをうれしく思っている」

 レースの赤旗中断中にガスリーはレースコントロールを訪れ、共同レースディレクターのエドゥアルド・フレイタスに対し、クレーンの状況について失望を表明した。しかしガスリーは、いっそう腹を立てて部屋を後にした。フレイタスは、状況は正常だとガスリーに話したのだ。

「彼の側の話と、僕の側の話がある。僕が言ったように、誰が正しいとか間違っているとかいう問題ではない。結局のところ、僕たちは命を危険にさらしているが、できるだけ安全になりたいと望んでいる。これほどのスピードでこうした状況のなか、これらのマシンを走らせるのは常にリスクがある。でもリスクを最小限に抑えることはできる」

「コースは、クレーンやトラクターがコース上にない状態で承認を受けている。その状態なら安全なんだ。外部からコースに何かが入った瞬間に、まったく別の話になる」

「彼らは理解したと思うし、双方にとって明確になった。彼らが講じてくれた解決策に満足しているよ」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ)
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)

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