F1引退レースで『招待状』と書かれたTシャツを着用したベッテル、その真意を明かす

 

 先日行なわれた2022年のF1最終戦アブダビGPをもってF1から引退したセバスチャン・ベッテル。彼はアブダビのパドックで、『Invitation(招待状)』という文字に地球が描かれたTシャツを着用して歩いていた。
 このデザインに込められた意味については多くの質問が寄せられたが、ベッテルは後にその意味を明らかにした。
 ベッテルはこれまでも熱心な環境保護活動に勤しんでおり、気候変動や社会問題に対する高い関心を示してきたが、このTシャツもそれらに関わるものだったという。
 彼はInstagramに投稿した動画の中で次のように説明した。
「僕たちが多くの人々に与えることのできる力や影響について見てほしいという、招待状のようなものなんだ」
 またベッテルは、娘の誕生とその後に起きた義父の死が、広い意味での自身の意識を高めるきっかけになったと明かした。
「正直僕が若い頃、20歳から25歳くらいの頃は、大きな問題が起きているといったニュースを目にすることはなかった。当時の僕にはあまり影響がなかったんだ」
「当時の僕は、レースをすること、そしてそこでの成功に関心があった。そしてその後、僕の人生でいくつかの出来事が起こった」
「僕は妻と一緒になること、父になることを選んだ。そして26歳の時に娘が生まれ、その翌年には次女が生まれた。そしてその翌年、義理の父が癌になり、1年半後に亡くなった」
「あの時、僕は未来と向き合った。自分の子供に初めて会い、初めてこの腕に抱いた。そして同時に人の死、人生の終わりにも直面した。このことは自分の人生、自分たちの前にある未来、自分たちの住む世界について考えさせられることになった」
 そしてベッテルは、自分に変化を起こす機会があることを理解し、行動を起こすことを決めたという。
「自分たちの世界やその気候を考えて、本当に重要なことに取り組んでいく上で、自分の声をどうやって使っていけばいいか考えた」
「世界は急速に変化している。僕たちは皆、自分たちに何ができるかを考えないといけない。だから僕は、問題を緩和させて解決させる方向に進むよう、そしてもちろん大きな利益が得られるよう、自分にできることを考えるようになった」
「まず栄養について疑問を持つようになった。自分は何を食べているのか? それはどこから来ているのか? エネルギーはどこから来ていて、どうやって消費しているのか? いろいろなことを考えた」
 ベッテルは他のドライバーも巻き込んで輪を広げようとするだけでなく、一般の人々にも変化を促そうとしたという。
「他のドライバーたちにも、僕たちが地球の気候に影響を与えられる特別なポジションにいることを強調しようとした」
「僕たちは追い詰められている。今こそ変わるべきだ。僕たちは将来の世代のことを考えないといけない」
 彼はさらにこう続ける。
「これ以上目を逸らす訳にはいかない。自分たちの生活について自問自答しなければいけない。“招待状”というフレーズを使ったのはそういう理由だ。 僕たちは何ができるのか? あなたたちは何ができるのか? それはとても小さなことから始められる。もちろん大きなことからも可能だ」
「僕たちはドライバーとして、人々に大きな影響を与えられる立場にいる。ただ、毎日の行動が大切だと思う。散歩している時にプラスチックゴミを拾ったり、そういった小さなことが改善に繋がる。それがこのTシャツの背景にある考え方で、小さな心がけを意識してもらうようにするための招待状なんだ」
「そして他のドライバーたちも、この世界をより良い場所にして未来を守るための責任を共有している」
 
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