メルセデスF1の“柱”としてチームを支えたハミルトンを代表が称賛「みんなを励ましモチベーションを高めた」
2022年シーズンのメルセデスF1に課題が山積みとなるなか、ルイス・ハミルトンがいかに「称賛に値する」やり方で仕事に取り組んだかについて、トト・ウォルフが賛辞を送った。ハミルトンはチームの「柱」となって活躍し、往事のミハエル・シューマッハーを彷彿させたという。
メルセデスのハミルトン、そしてチームメイトのジョージ・ラッセルは、シーズン開始直後からライバルの後塵を拝した。新世代マシンの『W13』が慢性的な課題を抱えていたからだ。マシンの問題に対して、ラッセルは自身できる限りの努力をすることになった。一方、ハミルトンはシーズン序盤からその力量を買われ、チームを苦境から脱出させる試みとして、クルーたちと協力して試行錯誤しながらマシンの設定を詰め、変更を行う役割を与えられた。
しかしハミルトンは、その仕事にすべてをつぎ込んだばかりか、チームが一歩前進し二歩後退するという状況に陥った時は、いつでもチームを盛り立てて士気を高めた。
『Beyond the Grid』の最近のポッドキャストのなかでウォルフは、メルセデスにとって不測の事態となった今シーズンをハミルトンが乗り切るのは、どれほど大変だったかと尋ねられた。
「非常に苦しかったと思う。というのは、彼が受け取ったのは、優勝するのが難しい性能のマシンだったからだ」とウォルフは答えた。
「ドライバー陣に与えられたマシンは予測不能で、不安定で、良くなったかと思えば悪くなるといったように、改善して発展させていくのが難しいものだった」
「一方、ハミルトンという人間だが、彼がシーズンを通してやり抜いたことはまさに称賛に値する。成績が上がらず、チームが落ち込んでいた時があったが、ハミルトンはみんなを励まし、モチベーションを高めた。マネジメントという意味でも人格という意味でも、プロのスポーツマンでこんなことができる人間にはそれまで会ったことがなかった」
確かにハミルトンの仕事はマシンをドライブすることだが、今やハミルトンはメルセデスF1チームの「柱」であり、単なるドライバー以上の存在だとウォルフは考えている。
「当然ながら、マシンの開発における彼の役割があるし、ファクトリーでの仕事もある。しかしレースがある週末になると、チームの柱としての存在感がすごく高まってくる」とウォルフは説明した。
「彼はひょっとしたら、あの当時のミハエル・シューマッハーに少し似ているかもしれない。あるいは、アメリカンフットボールのトム・ブレイディのような、単なる選手やドライバー以上の存在だ。チームの精神の一部となっている。ハミルトンはまさにそれだ」
「彼は単なる仕事の『請負業者』ではない。言ってしまえば、ドライバーは来て、支払いを受けて、さらなる好条件を求めて去って行くものだ。しかし彼はチームに加わって今や10年になる。チームの一員なのだ」
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