早期のLMDh開発が利敵行為に? ”モルモット役”担った「ポルシェの働きに満足」とライバルのBMWはホクホク顔
BMWのLMDhプロジェクトを率いるマウリツィオ・レスキウッタは、早くからLMDh共通ハイブリッドシステムの開発に携わってきたポルシェが、そこからアドバンテージを得ることはないと考えている。
2023年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)とFIA世界耐久選手権(WEC)にLMDh車両『963』を投入するポルシェ。彼らはこれまで、ファクトリーチームのパートナーであるペンスキーとシャシー製造を担ったマルチマチックと共に、963の開発プログラムと平行して共通ハイブリッドシステムの開発を担ってきた。ポルシェのプロジェクトマネージャーのウルス・クラトレ曰く、”モルモット”としての役目を負ったのだ。
この開発プログラムは2022年の一年間、ヨーロッパやアメリカ各地の様々なサーキットで実施されてきた。ただ、LMDh車両のハイブリッドシステムに組み込まれるボッシュ製の電動モーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)は、テスト初期段階では大きな問題を抱えていたことが分かっている。
レスキウッタは、たとえ自動車市場における最大のライバルであったとしても、ポルシェが行なった開発プログラムには「満足している」という。それはBMWのLMDhプログラムで同様の障害を乗り越える必要がなく、『MハイブリッドV8』のタイトなスケジュールに支障をきたすことがなかったからだ。
「みんなは『ポルシェのほうが早く始めたから有利だ』と言うが、私は彼らが早く始めてくれたことを嬉しく思っている」
そうレスキウッタは言う。
「彼らは学習曲線の最も急な部分ですべての問題を解決してくれた。我々はそこから学んで、より高い地点からスタートすることができたからね」
「ハイブリッド・サプライヤーと共にこのパイロット・プログラムを実施してくれたことは、運営にとって非常に価値のある、賢明なアプローチだったと思う」
「ポルシェが最適なポジションにいて、論理的な判断だった。彼らは多くを学び、我々も多くを学んだ。最終的には、我々のプログラムの時間短縮に役立った。だからBMWとしては、そのやり方とポルシェがみんなに与えた大きな価値にとても満足している」
「デイトナ(24時間レース)の時には、『振り返ると、我々がスタートから歩んできた道のりに驚くだろう』とプロジェクトチームのみんなやパートナーに話すつもりだ」
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