モータースポーツ界から”夢見人”ケン・ブロックの死を惜しむ声「僕らクルマ好きに刺激を与えてくれた……」

 

 ジムカーナのスタント動画によって一躍スターダムを駆け上がり、世界ラリー選手権(WRC)や世界ラリークロス選手権(WRX)にも参戦した経歴を持つケン・ブロックは、1月2日(火)にアメリカ・ユタ州でスノーモービルの事故により、この世を去った。享年55歳だった。
 彼の突然の死を受け、モータースポーツ界全体からは彼の死を惜しむ声が挙がっている。
 8度のWRC王者であるセバスチャン・オジェは、ブロックがWRCにスポット参戦していた2007年~2018年に彼と戦っている。なお、ブロックは2023年ラリー・メキシコで自己最高位となる7位を記録している。
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 オジェはSNSで次のように語った。
「こんなに悲しい知らせはない。ケンには先見の明があり、とても情熱的でインスピレーションを与えてくれた」
「彼はモータースポーツと大きなショーを両立させることを、他の誰よりも知っていた。彼は自分の人生を精一杯生きた。彼の笑顔と笑いを決して忘れることはない」
 現在ダカール・ラリー2023に参戦しているWRC仲間のセバスチャン・ローブは、「RIPレジェンド」とだけ投稿。ラリーを共に戦ったライバルたちも、ふたりのセバスチャンと同様にブロックをレジェンドと表現している。
「僕らのスポーツは今日、偉大な人物を失った」
 2019年のWRC王者オット・タナクはそうコメントしている。
「ケンには先見の明があり、僕らの多くを刺激した真のレジェンドだった。安らかに眠れ、ケン」
 また、元M-スポーツ・フォードのガス・グリーンスミスは、ラリーに世間からの注目を集めたブロックの功績は、今後何世代にも渡って受け継がれると考えている。
「この人がモータースポーツ界に残したインパクトは、何世代に渡って響いていくだろう」とグリーンスミスは言う。
「先見の明があり、フーニガンのパイオニアであるケン・ブロックは本当に唯一無二の存在だった。ブロックのご家族に、心からお悔やみ申し上げる」
 そしてブロックが2018年にドライブしたM-スポーツは、「ケンの仕事とスポーツへの情熱は、世界中の何億もの人々のイマジネーションに触れた。彼は我々のスポーツを再定義するのに貢献したクリエイティビティの原動力だった」と述べた。
 WRC側も、ブロックがモータースポーツへの情熱を通して「何百人をも感動させた」という功績を讃え、次のように賛辞を述べた。
「あらゆるエクストリームなモノに情熱を持った真の夢見人である55歳の彼は、世界中の多くの人が憧れるような夢を実現を実現してきた。そうすることで、彼は何百人もの人々にモータースポーツへの情熱を追い求めるよう刺激したのだ」
 ブロックはそのキャリアにおいて、フォードの代名詞に。ジムカーナのビデオでは度々”ブルー・オーバル”のロゴを付けたマシンが登場し、WRCでは『フォーカス』や『フィエスタ』のラリーカーがブロックの愛機となった。
 
「我々は今日、ケン・ブロックという伝説的な人物を失った」
 フォード・モーター・カンパニーのジム・ファーレイCEOはそう語った。
「ケンは何世代もの自動車好きにインスピレーションを与え、その過程でフォード・モーター・カンパニーの我々全員にもインスピレーションを与えてくれた。彼は革新者であり、才能あるドライバーであり、マーケティングの天才……まさに唯一無二の存在だった」
「ケンはドライブ、ドリフト、レースの喜びを体現していた。彼は特別なクルマと特別な瞬間を創り出すための無限のイマジネーションを持っていたのだ」
「我々は、彼の家族と彼が、そのビジョンとスピリットで養ってきたコミュニティと共に、彼の死を悼む」
 ブロックはラリードライバーとして、2022年のARAナショナルラリー選手権でヒョンデ『i20 …読み続ける

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