レッドブル&HRC密着:新品ソフトがなくても問題なし。ピットストップまでにギャップを築く余裕のロングランを披露
2023年F1第1戦バーレーンGPで1-2フィニッシュを飾ったレッドブル。日曜日のレースでこうなることは、土曜日の予選後に、すでに予告されていたのかもしれない。
それは、予選後のトップ3会見に出席したレッドブル勢ふたりと予選3番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に向けて投げかけられた、ある質問に対する3人の反応だった。
質問はこうだ。
「なぜシャルル(・ルクレール)はQ3で1回しかタイムアタックを行わなかったのですか。1セット新品のソフトタイヤを残すメリットはなんですか? そして、レッドブルのふたりはそのことをどう考えていますか?」
まずルクレールがこう答えた。
「そうだね、少しグリップ力が上がるんだ。それがゲームチェンジャーになるかどうかはわからないけどね」
それを聞いていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はこう答えた。
「チームからはアウトラップは必要ないって言われているから、大丈夫だと思うよ」
ニュータイヤの場合、アウトラップに強力なグリップ力を発揮するため、アウトラップが速い。レースに向けてユーズドのソフトしか残っていないレッドブル陣営には、そのアウトラップの速さをレースで使うことができないのだが、フェルスタッペンは「その必要がない」と言っているのだ。
それを隣で聞いていたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、何も言わず親指を立てて同意した。
つまり、この言葉にはレッドブルはフェラーリに対して、最初のピットストップまで数秒、あるいは十数秒のマージンを築く自信があるということを示唆していた。
スタート直後にペレスがルクレールにかわされて3番手に下がったため、レッドブル勢2台がフェラーリに対して十分なマージンを1回目のピットストップまで築くことはできなかったが、ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは、ルクレールが1回目のピットインを行うまでに8秒以上のリードを築いていた。
さらにスタートでルクレールにかわされたペレスも、1回目のピットストップ後にコース上でルクレールをオーバーテイクして、2番手に浮上すると、ルクレールがマシントラブルでリタイアするまでに10秒以上の差をつけた。
結局、フェルスタッペンは3番手以下に38秒もの大差をつけてフィニッシュ。レース後、レッドブル陣営のあるスタッフはこう語った。
「土曜日のフリー走行でみんながハードタイヤを温存していたのを見て、勝てると思っていた。なぜなら、それだけみんなはソフトのデグラデーション(劣化)が大きいということで、我々はソフトでのロングランに問題なかったからね」
バーレーンGPでの1-2フィニッシュは、レッドブルとホンダがパートナーを組んだ2019年以降だけでなく、レッドブルにとっても、F1参戦19シーズン目にして初めてのこと。まさに向かうところ敵なしの圧勝だった。
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