【F1サウジアラビアGP決勝の要点】フェラーリはレッドブル最大のライバルと予想されるも敵わず。状況は『1強+3』か
開幕2戦を終えて、レッドブルが2戦連続1-2フィニッシュを果たした。セルジオ・ペレスがキャリア初のポール・トゥ・ウインを遂げた一方で、マックス・フェルスタッペンは15番グリッドから13台抜きの2位。3位のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)以下に20秒以上の大差をつけるという、まさに圧巻のレース運びだった。
ストップ&ゴーレイアウトでタイヤ劣化の大きいバーレーン、超高速市街地サーキットのジェッダと、コース特性のまったく違うサーキットでレッドブルは連勝したことになる。今季全23戦のまだ2レースを終えたばかりだが、彼らの強さにライバルたちは(少なくとも現時点では)全然追いつけていない。
なかでも今回の最大の敗者は、フェラーリであろう。事前予想では、最高速に優れるフェラーリはジェッダでレッドブルと互角に近い勝負をするはずだった。実際に予選では、シャルル・ルクレールが2番手タイムを叩き出した。デグラデーション(タイヤ劣化)の大きくないコース特性もあって、レースペースにもある程度の手応えを感じていた。
確かにルクレールはグリッド降格ペナルティで、12番手スタートというハンデもあった。とはいえフェルスタッペンは、15番手から2位まで追い上げている。勝者ペレスから43秒遅れの7位という結果は、期待外れというほかない。そしてカルロス・サインツは予選で5番手と出遅れ、レースでもいいところなく6位に終わった。
開幕戦ではリタイアを喫したルクレールだったが、アストンマーティンやメルセデスを凌ぐ速さは見せていた。なのであの時点では、レッドブル追撃の最右翼はフェラーリのはずだった。しかしその前提は、今回のサウジアラビアで崩れたかもしれない。
アストンマーティンのレースペースはフェラーリよりはるかに優れ、ランス・ストロールがトラブルに見舞われていなければ、2台揃ってフェラーリの上でフィニッシュしていただろう。メルセデスも昨年から継続した『ゼロポッド』コンセプトに決別することを、トト・ウォルフ代表がこの週末に正式に表明。それに呼応するかのように、アロンソに次ぐ4、5位入賞を果たした。
開幕戦の時点では、従来の3強にアストンマーティンが加わっての「新4強時代」到来かと思われた。しかしどうやら「1強+3」と捉えるのが、妥当のようだ。そして今季のタイトル争いは、早くもレッドブルのふたりに絞られたのかもしれない。
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