F1分析|角田裕毅2戦連続11位。入賞は叶わずも、低い戦闘力のマシンで”本来以上”の成績……3年目の成長を感じさせる
先日行なわれたF1第2戦サウジアラビアGPで、アルファタウリの角田裕毅は11位でフィニッシュした。これで開幕戦に続き2戦連続での11位。あと一歩で入賞を逃すことになった。
しかしこの2戦連続11位という結果は、実はすごい結果……角田の成長が見える結果だったのではないだろうか?
角田はレース序盤、14番手あたりを走っていた。しかし、周囲のマシンが早々にタイヤ交換をするためにピットインする中、角田はスタート時に履いたソフトタイヤを履いたままステイアウトし、第1スティントを引き延ばしていた。これが功を奏する形となった。
アストンマーチンのランス・ストロールが、17周目にマシントラブルによりストップ。これでまだタイヤを交換していないマシンが一同にピットイン。中でも角田は、セーフティカー出動が宣言された時にピットレーン入り口のすぐ手前にいたため、まさに絶好のタイミングでピットストップを行なうことができたのだった。
他車のピットストップで8番手まで順位を上げていた角田。全車がピットストップをした後も、この8番手という順位につけていた。これは好戦略だったと言える。
レース再開後は、アルピーヌ勢に抜かれた後、ハースのケビン・マグヌッセンを抑える展開。マグヌッセンはDRSを使って再三角田に襲いかかるも、角田は徹底抗戦。残り4周というところまで抑えたが、最終的にはオーバーテイクを許してしまい、万事休す。11位でのフィニッシュとなった。
抜かれはしたものの、この角田の走りは大健闘と言える。
今季のアルファタウリのマシンパフォーマンスは、実はかなり低い。各セクターの予選と決勝のベストタイムを基にそのパフォーマンスを比較すると、サウジアラビアGPでのアルファタウリは、10チーム中9番目に速いチームだった。つまり下から2番目。ハース(6番目のマシン)と比較すると、0.42%も差があったのだ。タイムに換算すると、1周90秒のサーキットで0.378秒の差がつく計算だ。なお予選だけのパフォーマンスを見ると、アルファタウリは最下位だった。
■サウジアラビアGPでのマシンパフォーマンス
マシン
パフォーマンス
1
レッドブル
100.00%
2
アストンマーチン
100.43%
3
メルセデス
100.59%
4
フェラーリ
100.60%
5
アルピーヌ
101.21%
6
ハース
101.32%
7
アルファロメオ
101.41%
8
マクラーレン
101.61%
9
アルファタウリ
101.78%
10
ウイリアムズ
102.07%
これは実は開幕戦バーレーンGPでも同じ傾向にあった。予選では9番目(最下位はウイリアムズ)、予選と決勝の総合パフォーマンスでは最下位であった。
つまり本来ならば、17〜20位が妥当な順位だということになる。そんな中で2戦連続11位という結果は、まさに大健闘と言える。
サウジアラビアGP決勝レースペース推移(中団グループ)
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