F1マシンからリヤウイングを取り払ったらどうなる……? 2006年にホンダF1が挑んだ400km/hの壁

 

 スクーデリア・アルファタウリからF1に参戦している角田裕毅は、F1屈指の長いストレート区間を持つバクー市街地サーキットで行なわれる2023年の第4戦アゼルバイジャンGPを前に、次のように愛機『AT04』の直線パフォーマンス不足を嘆いている。
「バクーでは、直線パフォーマンスを最大化するために、少なくともウイングレスとか、そういうモノが必要になります」
 角田がF1マシンからウイングを取り払うと語ったのは、もちろん、それくらいしないと直線でライバル勢に負けてしまうという物の例えだ。昨年のアゼルバイジャンGPではDRSフラップの破損によって危うくリヤがウイングレスになりかけた角田だが、今年のバクーに投入されるマシンにウイングは付いているだろう。
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 では、F1マシンからリヤウイングを取り払ったらどうなるのだろうか?
 その答えは、2006年にホンダF1が出している。
 2005年9月のイタリアGPで、BARホンダは「ボンネビル400」というサイドプロジェクトを発表。アメリカ・ユタ州にある有名なボンネビル・ソルトフラッツにF1マシンを持ち込み、400km/hに到達できるかという検証したのだ。
 ホンダはBARからチームの全株式を取得し、フルワークスチームとして2006年シーズンを戦う傍ら、7月のボンネビルに、佐藤琢磨とジェンソン・バトンがドライブした2005年の『BAR007』を持ち込んだ。
 テスト段階ではモンツァ仕様のローダウンフォースパッケージが使用されていたが、実際に持ち込まれたBAR007のリヤウイングは取り払われ、”垂直尾翼”1枚だけが搭載された。
 ギヤ比もこのチャレンジに合わせてロング化され、ステアリングを握ったアラン・ファン・デル・メルヴェ(当時のホンダF1・テストドライバー)曰く、イギリスの飛行場で行なわれたテスト時点でも360km/hを記録していたという。

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