ピレリがF1イギリスGPに新仕様のタイヤを導入。マシンパフォーマンスの予想以上の向上に対応
F1のタイヤサプライヤーを務めるピレリは、7月に行われる第11戦イギリスGPから新しい仕様のスリックタイヤを導入することを発表した。各チームの2023年型マシンが予想以上のスピードとダウンフォースを生み出していることが序盤5戦で明らかになり、これに対応するための策であり、第8戦スペインGPのプラクティスで全チームに新タイヤのテストを行う機会が提供される。
ピレリは5月12日、新仕様のスリックタイヤ導入に関し、次のような発表を行った。
「ピレリ・モータースポーツは、シルバーストンでのイギリスGP(7月7~9日)以降、新しい仕様のスリックタイヤを導入するための承認をFIAに求めた。F1技術規則第10.8.3条(注:「FIAは安全上の理由から選手権シーズン中に予告または遅延なくタイヤの仕様を変更することを決定することができる」)に基づくこの要請は、承認された」
「新仕様には、2024年に予定されているマテリアルが導入されている。この動きが必要になったのは、チームから提供されたシーズン前のシミュレーションデータと比較し、序盤数戦においてマシンパフォーマンス(スピードとダウンフォースの両方において)の増加が見られたからである。このパフォーマンスはシーズンの残りにおいてもさらに向上する可能性が高い」
モータースポーツディレクターのマリオ・イゾラは、今回の変更について、次のようにコメントした。
「2023年のマシンのパフォーマンスが昨年と比べてどれだけ向上しているかを、今シーズンの序盤数戦を通じて見てきた。それは、全10チームが驚異的な開発ペースを示したことで成し遂げられたものである。例えば、マイアミではポールポジションタイムが昨年よりも2秒近く速くなった。そして同様の進歩が各レースで見られた」
「ピレリのシミュレーション作業における目的は、ステークホルダーが指定したパフォーマンス目標を達成する製品を供給することだけでなく、潜在的な問題を予測し、それに対して迅速に対応することである。新しい仕様には、既に2024年のために開発したマテリアルが含まれており、これにより、他の技術的なパラメータやトラック上での挙動に影響を与えることなく、タイヤの耐久性を高めることができる」
「すべてのチームが公平な条件で新しい構造をテストすることができるようにするため、ピレリはスペインGPのFP1とFP2において1台あたり追加の2セットのタイヤを提供する」
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