F1エミリア・ロマーニャGP主催者、今年の中止の埋め合わせを期待。ドメニカリCEOも2026年までの契約延長を検討
F1エミリア・ロマーニャGPの主催者は、直前で中止となった今年のレースの埋め合わせとして、F1が既存の契約を1年延長してくれることを期待している。
レースは今週末に開催される予定だったが、イモラ周辺が洪水災害に襲われたため、フリー走行開始予定時刻まで48時間を切るところで中止に追い込まれた。チーム関係者たちは、火曜日と水曜日にはアウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(イモラ・サーキット)から離れるよう指示されていた。サーキットの一部が浸水し、このエリアへ出入りすると命に関わる恐れがあったためだ。
このレースが今年のカレンダー後半に組み込まれる可能性はあるが、カレンダーはすでにいっぱいなため問題がないとは言えない。
「2023年の過密なスケジュールを考慮すると、今年中に埋め合わせができるとは考え難い」とF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは語った。
「しかし我々には、懸命に仕事をしてきた人たちに対し道義的責任がある。様子を見ることになるだろう」
イモラの現在の契約は2025年で終了するが、ドメニカリはその後もレースを追加することに前向きだ。
「イモラの契約を2026年まで延長して、今回のレースをカバーする可能性もある。この選択肢を検討中だ」
イタリア自動車クラブ(ACI)の会長であるアンジェロ・スティッキ・ダミアーニは、今週末のイベントを中止するのは正しい判断だったと主張し、“この地域で起きていることに深い悲しみを覚える”と述べた。
「このような大変な状況のなかで、中止は不可避だった」
「カレンダーの複雑さを考えると、2023年のレースを2026年に行うと仮定するのが合理的だが、この件は現時点で優先することではない」
F1のスポーティングレギュレーションでは、3カ月に満たない事前の予告でレースが中止された場合、“FIAが不可抗力による中止と判断しない限り”は、翌年のチャンピオンシップに参加する資格がなくなるとされている。ACIの公式声明は“不可抗力”という言葉を使って中止を発表しているが、今回のケースはほぼ間違いなくあてはまると考えられる。
声明のなかでACIは次のように述べている。
「我々はこの大きな災害の渦中に愛する人を失って悲しみに暮れている人々や、家を離れることを余儀なくされた人々に対し、最大の連帯を表明する」
「この困難な時期にあたって、国家機関、エミリア・ロマーニャ州、警察、市民防衛組織に支援と感謝を伝える」
「関係者全員が住民を助け、地域の安全を確保するために最大限の努力をしており、グランプリの開催と実現のためにイモラに到着した3000人以上の内部関係者に感謝する」
またオフィシャルは、技術的観点からすればコースは走行可能だったが、関係者全員の安全と、地域の緊急サービスの負担を増やさないことを優先したと認めている。
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