パロウ、パワーとの激闘を制す。新生デトロイトGPはコーション7度の波乱のレースに|インディカー第7戦
インディカー第7戦デトロイトGPは、チップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウが波乱のレースを制した。
インディ500から1週間後に開催されたデトロイトでのレースは、ベルアイル・パークから場所を移し、新しいストリートサーキットが舞台。かつてF1も走ったセクションを一部使用した1.645マイル(約2.65km)、コーナー数9のコースを100周して争われた。
予選ではパロウがポールポジションを獲得。2番手にスコット・マクログリン(チーム・ペンスキー)が並び、インディ500を制したジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は5番手となった。
隊列が揃わなかったことでレーススタートは仕切り直しとなり、2周目にリスタートが行なわれるが、ここでカラム・アイロット(フンコス・ホリンガー)がカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート)と接触し、早速イエローコーションが出された。
7周目のレース再開後はパロウがレースをリードしていった。上位勢はソフトなグリーンタイヤを履いたマシンが多かったが、タイヤの状況は厳しく早めのピットインを強いられるマシンもいた。
そんな中で、ブラックタイヤを履いたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が猛烈に追い上げ、22周目には2番手まで浮上した。この時点で、パロウは後続に9秒以上のリードを持っていたが、そのリードをパワーが徐々に切り崩していった。
パロウは30周目にピットインしてブラックタイヤに交換。パワーは35周目にピットインしグリーンタイヤに変更した。今度は徐々にパロウから離されていってしまうが、43周目にはパトリシオ・オワード(アロー・マクラーレン)とサンティノ・フェルッチ(A.J.フォイト)の接触でコーションが出された。
49周目にレース再開となるが、ここから波乱が連続。スティングレイ・ロブ(デイル・コイン)がターン3で立ち往生し、再度コーションが出されるとこのコーション中にグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)がウォールにクラッシュ。そこにベンジャミン・ペデルセン(A.J.フォイト)が追突してしまうという事故により、長いコーションとなった。
そして迎えた56周目のリスタートで、パワーはターン3でパロウのオーバーテイクに成功。しかし65周目には同じターン3で抜き返されるなど、ふたりの激しい首位争いが続いた。
67周目に同時にピットインしたパロウとパワー。その後はパロウがパワーとの差を広げてレースをコントロールしていった。
しかし波乱は終わらない。81周目にロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポート)がクラッシュし、5度目のコーション。残り13周となったりスタートではデイビッド・マルーカス(デイル・コイン)がクラッシュを喫してしまった。
残り10周でのリスタートをうまく決めたパワーだが、アウト側のパロウをパスすることができずスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)と接触。2番手にはアレクサンダー・ロッシ(アロー・マクラーレン)が浮上した。
なんとか2番手を取り戻したいパワーだが、ロブがフェルッチと接触しストップしたことで、このレース7度目のコーションが出された。
最後のリスタートは残り5周、パワーはなんとかロッシを抜き2番手を取り戻すが1.1843秒届かず、パロウがトップチェッカー。3位にはフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロー・マクラーレン)が入っている。
驚きなのは、6位のカークウッド。2周目に追突を受けリヤウイングを失ってしまったところからのリカバリーは、それだけ波乱の多いレースだったことを象徴していると言えるだろう。
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