ホルヘ・マルティン、VSバニャイヤ大接戦を制して2年ぶりグランプリ優勝! ドゥカティ勢トップ5を独占|MotoGPドイツGP決勝

 

 ザクセンリンクでMotoGP第7戦ドイツGPのMotoGPクラス決勝レースが行なわれた。レースを制したのは、プラマックのホルヘ・マルティンだった。
 ドイツGPは初日と2日目こそ天候に翻弄されたが、決勝日は朝から晴天に恵まれた。レース開始時刻には気温26度、路面温度は47度まで上昇した。
 なお午前中に行なわれたウォームアップで転倒し左手親指を骨折したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)がレースを欠場。これによりホンダ勢は中上貴晶(LCRホンダ)の1人のみとなってしまった。
 予選でポールポジションを獲得したのはフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)。2番手にルカ・マリーニ(VR46)、3番手にジャック・ミラー(KTM)という並びで、レーススタートを迎えた。
 全30周のレースが始まると、ミラーがロケットスタートを決めてホールショットを奪った。彼はそのまま逃げようとしたが、オープニングラップはポジションの入れ替えが激しく、結局バニャイヤが先頭を守る形となった。2番手にマルティン、3番手にマリーニという並びで1周目を終えた。
 先頭争いはバニャイヤとマルティンの戦いとなったが、3周目のターン12でマルティンがオーバーテイク。2日目のスプリントレースのように逃げを打つ姿勢を見せた。
 マルティンは先頭に立った後プッシュしていき、2番手のバニャイヤに対してすぐに0.5秒程のギャップを確保。そのままさらに差を広げにかかるかと思われたが、マルティンはバニャイヤとの差を維持する走りに切り替えた。
 8周目、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)のマシンにトラブルが発生。白煙を吹いたマシンをそのままピットへ持ち帰り、ここでリタイアとなった。
 トップ2が膠着状態のなか、10周目にブラッド・ビンダー(KTM)がマリーニを追い抜いて3番手へ浮上。以降はマリーニとヨハン・ザルコ(プラマック)を引き連れての3番手争いという状態が続いた。
 先頭争いの2人に変化があったのは、レース折返しとなる15周目。当初は0.6秒ほどだったふたりの差が縮まり始め、マルティンの真後ろにバニャイヤが迫ってきたのだった。
 19周目には3番手を走っていたビンダーがターン8で転倒。これによって3番手にはザルコが浮上。トップ3はドゥカティ勢に独占された。
 優勝を争うマルティンとバニャイヤは、一度接近されたマルティンがプッシュして引き離す場面も見られたが、21周目には再びバニャイヤがホイール・トゥ・ホイールの距離まで接近。ターン11でマルティンを追い抜き、先頭に立った。
 だがマルティンも引き離されてしまうようなことはなく、バニャイヤ真後ろの位置をキープして、反撃のチャンスを伺った。
 そんなマルティンが反撃をしかけたのは、残り7周。まるで意趣返しのように同じターン11でバニャイヤを追い抜いて、先頭に返り咲いた。
 マルティンとバニャイヤはホイール・トゥ・ホイールでの鍔迫り合いが続き、一歩も譲らないバトルを披露。そしてラストラップに入る際の立ち上がりで、ふたりのリヤタイヤとフロントタイヤが接触。これでバニャイヤは一瞬バランスを崩し、ギャップが少し広がってしまった。
 結果的にこの接触が勝負を決める要因となり、マルティンがトップでチェッカー。今シーズン初優勝を手にした。2位は0.064秒差で破れたバニャイヤ。そして3位はザルコと、ドゥカティ陣営が表彰台を独占した。
 なお今回はドゥカティのマシン全8台がトップ9に入るという、圧倒的な強さを発揮したレースとなった。
 ホンダ勢で唯一決勝に出場した中上は、最終的に14位でフィニッシュ。苦しい戦いではあったが、なんとかポイントを獲得した。
 
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