FIAが最低重量を引き下げれば、F1チームがマシンを軽くする? メルセデス「軽量化をチームの”課題”にしなきゃけない」
現在のF1マシンの最低重量は798kgと、歴史上最も重い車両になっている。これは明らかに重すぎるとして、ドライバーを中心に不満が噴出。F1とFIAも、最低重量を引き下げることを目指しており、チームからもこれに賛同する声が上がっている。
F1のステファノ・ドメニカリCEOとFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、新たなパワーユニット(PU)レギュレーションが導入される2026年から、マシンの最低重量を引き下げることを検討している。
ただこの2026年からは、PUで扱う電力量が増えることになっており、バッテリーも大容量になる。これにより、マシン重量は今よりもかなり重くなると懸念されており、軽量化は必須だと言われている。
ただPUのコンポーネントのみならず、安全対策が進められたことも車両重量の増加に拍車をかけてきた。そのため、現実的にどの程度軽量化することが可能なのか、懐疑的な見方もある。
メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、FIAがマシンの最低重量を引き下げるならば、チームは当然、マシンを軽くする方法を模索することを余儀なくされるだろうと語る。
「私はステファノに強く同意する。容赦のない重量増加傾向を阻止し、逆転させなければいけないと考えているのは、彼だけはないよ」
アリソンはmotorsport.comに対してそう語った。
「F1マシンは年々重くなっているからね」
「これを別の方向に動かすのは、簡単なことではない。マシンを大幅に軽量化するためのルールを考案するのは、特に困難だ」
「マシンを軽くする方法は、最低重量を引き下げ、それをチームの問題にすることだと思う。マシンが最低重量を超えている場合、マシンに何を積むのか、何を投入するのかについて、我々全員がかなり難しい決断を迫られることになる」
「この方法に、誰もが同意するわけではないだろう。しかし、そのことがマシンの重量を下げる最も確実な方法だと私は思う」
アストンマーチンのテクニカルディレクターであるダン・ファロウズは、アリソンの考え方に同意しつつも、軽量化を目指すことによって、安全性が損なわれることがないようにしなければいけないと語った。
「おそらく、ルールの中に、それを助けることができる部分があるだろう」
そうファロウズは語る。
「重量制限を引き下げることは、確かに軽量化を実現する方法のひとつだと思う。しかし、それによって安全性がいかなる形でも損なわれないようにしなければいけない」
「もしかしたら、構造の部分で我々にできることがあるかもしれない。しかし、課題があるのは明らか。PUがそのままでは、その課題が大きくなるのは間違いないよ」
レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェは、2026年のPUは現状よりもはるかに重くなるはずであり、軽量化を達成するには懐疑的だ。
「重量に関しては、大きな変化があるかどうかは分からない」
そうワシェは語った。
「新しいPUは、現在我々が使っているモノよりもかなり重くなると思う。ステファノも言っているように、それを大幅に軽量化するのは、非常に難しいと思う」
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