FIA、F1シンガポールGPでフェルスタッペンの妨害行為を罰しなかったのは誤りと認める。判例のデータベースから消去
F1シンガポールGP予選で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、他車への妨害行為について3件について審議されながら、実質的なペナルティは科されなかった。しかしスチュワードは、そのなかの一部の判断は誤りだったと認め、その件は今後起きるインシデントについて判断するうえでの先例として用いないことを決めた。
フェルスタッペンはシンガポールQ1終盤、ピットレーン出口で長時間停止したこと、Q1でのローガン・サージェント(ウイリアムズ)に対するブロック、Q2での角田裕毅(アルファタウリ)へのブロックの3件について、予選後に審議を受けた。スチュワードは、ピットレーンの件と角田に対する行為については戒告、サージェントに対する行為については、処罰なしという裁定を下した。
シンガポール予選では、サージェントがランス・ストロール(アストンマーティン)の妨害をした件で審議を受け、妨害行為があったとされながら、ペナルティはサージェントへの戒告とチームへの罰金にとどまった。
通常、他車への妨害行為に対しては、グリッド降格ペナルティが科されるため、シンガポール予選での裁定に対して疑問を呈する声が上がった。
日本GPの週末、シンガポールGPでスチュワードを務めたマッテオ・ペリーニは、チーム代表者の会議において、コース上で他車を妨害したフェルスタッペンらに実質的なペナルティを科さないと決めたのは誤った判断であり、グリッド降格とすべきだったと認めた。シンガポールでのこの裁定は、スチュワードのデータベースから削除され、今後のインシデントについての審査において前例として用いられることはなくなる。さらにペリーニは、チームが無線でドライバーに後方から接近しつつあるマシンの存在を適切に知らせなかったことを、ペナルティ軽減の理由に用いるべきではないことを確認した。
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターを務めるメルセデスのジョージ・ラッセルは、今回の件について「全体に一貫性を持たせる必要がある。ああいったインシデントの多数において、状況はかなり明確に思える」と語った。
「彼らがあの一件でペナルティを免れたのは奇妙だった。結果に大きな影響はなかったけれど、チャンピオンシップで首位に立っているのか、最下位なのかというのは、関係ない。誰かの邪魔をした場合、それに対するペナルティが与えられるべきなんだ」
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