【角田裕毅F1第21戦分析】前戦のミスを消化して臨んだサンパウロ。最後のアタックで2台に遭遇、自己ベストを更新できず
残念なレースに終わったF1第20戦メキシコシティGP。レース後、角田裕毅(アルファタウリ)はホテルの部屋にこもった。
「本当にガッカリ。接触するまではいいレースをしていたのに、接触によってポイントを獲得する機会を失い、悔しかった。本当にフラストレーションがたまったし、消化するのが大変だった。いつもならレース後はメキシコを楽しむ予定だったけど、すべての予定をキャンセルして部屋にこもっていました」
角田はレース直後のメディアからの取材に対しても、「ノーコメント」を貫き、心を閉ざしていた。それは、自分自身に腹を立てていたからだったようだ。
「罪悪感を感じていたんだと思います。よくないレースをした後にメキシコで楽しむなんて気持ちにはなれませんでした。だって、大きなチャンスがあったのに、自分でそれを手放したんですから。8位や9位ではなく、もしかしたら5位だったかもしれない。あのとき、僕は(5位になった)ランド(・ノリス)より前にいたわけですからね」
接触から数日が経過したサンパウロで、角田はピアストリへのオーバーテイクについて語り始めた。
「DRSを使用できたので、彼のスリップストリームに入って、彼の横に並ぶのは簡単でした。でも、接触のリスクを負ってまでオーバーテイクを仕掛けることは、あの位置でレースしているドライバーとしてはやるべきではなかったと思っています。もし、あのとき12番手を走っていれば、相手にもう少しプレッシャーをかけて、一気にオーバーテイクを試みても良かったかもしれませんが、僕はあのとき8番手を走っていた。19番手とかじゃない。オーバーテイクできなかったとしても、ポイント圏内にいたわけだから、シチュエーションマネージメントができていなかったと言われても仕方ありません」
メキシコシティGPから連戦となった第21戦サンパウロGPは、角田にとって名誉挽回のチャンスでもある。
「オースティンとメキシコでクルマにはペースがあることがわかったので、今週もいいレースウイークになり、再びポイントを獲得できることを願っています」
しかし、金曜日に行われた予選で、角田はQ1で敗退。予選16番手となった。最後のアタックを終えた角田は「ルイス・ハミルトン」と名前を連呼し、不満を爆発させた。いったい、何があったのか。
「最後のアタックで(前にマシンがいて)クリーンエアを得ることができませんでした。多くの妨害によって、かなりの影響を受けました」
角田の車載カメラの映像にはアタックラップに入った直後の1コーナーでルイス・ハミルトン(メルセデス)が映っていた。ハミルトンはホームストレート上ではイン側をスロー走行していたが、角田が接近してきたときにイン側にとどまれないと判断したのか、突然アウト側に走行ラインを変更。角田の集中力を妨害した。
その後、4コーナーを過ぎたところでローガン・サージェント(ウイリアムズ)にも遭遇。結果、自己ベストを更新できずに、16番手に終わった。
「(コンストラクターズ選手権で7位の)ウイリアムズとの差はまだ10点あり、縮めるのは簡単ではありませんが、残りの3戦でコンスタントにポイントを獲得できれば、逆転は可能だと思うので、ブラジルでもポイントを獲得することがとても重要になります。特にブラジルGPはスプリント・フォーマットで開催されるので、スプリントでもポイントを獲得して1ポイントでも多くのポイントを獲得したい」
今年、最後のスプリント・フォーマットとなるサンパウロGP。挽回できるチャンスはまだ残っている。
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